作り笑顔で

誰もそんな自分に
素顔で前を向けるほど
自信がある訳じゃない
僕もその人間の一人で
だから僕はいつからか
作り笑顔で生きるようになった
そしたら急に心が軽くなっていた

別に嘘をついてる訳じゃない
通り過ぎ際に吐かれた言葉や
たまに君に酷く睨まれた時に
咄嗟に何も言い返せない臆病の
心象が世界中で移り変わっただけ

精神病を装ったり
構って欲しくて腕を傷つけるほど
自身に従順じゃない
僕という一人の人間の
意味や価値なんてものは
徹夜してまで考えつくしたけど
一向に答えがでないままだ

時に馬鹿を演じてみたいじゃない
ギターやピアノを見ずに弾いてる
人に憧れて楽器を買っても
手付かず終いで綺麗に仕舞ってる
様な好奇心を弄んでるだけ

作り笑顔でおはよう
作り笑顔でありがとう
作り笑顔でじゃあね
作り笑顔でただいま
作り笑顔でおやすみ
作り笑顔でごめんね
作り笑顔でばいばい
作り笑顔でおかえり

お涙なんていらない
悲しみなんて必要ない
年を跨ぎ歳をとる旅
現実から逃げたくなる度
いつこのマスクを取ろうかと
その時の素顔は自然に笑っているかと
僕は僕で考えてるから

作り笑顔で

作り笑顔で

作り笑顔で

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-02-05

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