笑う屋台
(登場人物)
オヤジ(リストラにあい、その後漫才師を目指す中年親父の坂本源氏。オヤジと呼ばれている(芸名:笑う屋台))
美由紀さん(謎の大学院生)
あけみちゃん(「笑う屋台」のファンの小学生5年生。実はいじめにあっている。)
(目次)
1、笑えば勝ち
2、反省会
3、山手線
4、マーケティング
5、飯のタネ
6、反省会
7、笑うと負け
1、笑えば勝ち
ここは玉川上水から見える小さな公園です。
世の中は暑いが玉川上水は涼しく気持ちの良い空間を演出してくれるので、オヤジはまずこの公園を舞台に選んだ。
「ようこそ、笑う屋台です。今日は初めてのオンステージです。」
演じるは中年オヤジの坂本。
観客は二人。
小学生のあけみちゃんと自称大学院生の美由紀が拍手をして盛り上げる。
「素晴らしい日に、たくさんのお客様にお越しいただきましてありがとうございます。
今日は二人のお姫様にお越しいただきましたので、警備の都合上一般のお客様は場外です。」
坂本が足元のペダルを踏むと「ワハハハハ」とラジカセから拍手と効果音が流れる。
「素人だな」とあけみちゃんが鋭くつぶやいた。
「人には爪を噛んだり、嘘をつく時に眉が上がるなど色々な癖がありますね。」
「先日電車の中で、化粧している女の人がいましたので、早速一言。」
「いやーあなたの美しさを隠す化粧品が憎い。電車が混んでいるから男を惑わせないように美しさを隠す不気味な化粧。素晴らしい。」
『「ワハハ」拍手と効果音』
「電車の床に座りこんでいるお兄さんがいましたので。早速一言。」
「シルバーシートに座る若者がいるかと思えば、誰も座らない床に座る。お年寄りは遠慮なく座れる。
立っている大人は考えが足らないね。足腰に根性のない人生、あんたは素晴らしい。」
『「ワハハ」拍手と効果音』
「ちょっと待った」
「それ癖なのかな。笑えないし。台本、変じゃない。」美由紀が演技を遮った。
「こらから反省会へ行くわよ。」
さて、大学院生の美由紀は何者なのでしょうか・・・。
笑う屋台
まだまだ続きます。