2匹

2匹の猫と一緒に居る。

片方の猫は大人しく素直で知的な感じ、誰にも平等な態度で接していて、安定感がある。

もう片方の猫は、じっとはしていられず、すばしっこく臆病で、気に入った人にはとことん甘える。
それでいてお世辞にも賢くはなく、もっと言ってしまえば馬鹿っぽい。

だけど、その馬鹿っぽいところが何より愛らしく思える。お馬鹿じゃなかったら、
ここまでの愛らしさは生まれなかったかもしれない。2匹の猫は全くの正反対の性格だ。
同じ猫でもこれだけ違いがあるのは、見ていて面白い。

もし人で例えるなら、落ち着いた猫の方はその落ち着いた姿から他の人に安心感を与え、いざと言う時に
頼られるような存在だろうか。
じっとしていられない猫の方は、馬鹿っぽかったり臆病だったり、それでいて甘え上手だったりで、
その頼りない姿からついつい助けたくなるような存在だろうか。

どちらが良くて、どちらが悪いという話でもない。個性があって良い。
お互いが正反対だから、対比して個性がより尖って見える。

そんな2匹。

2匹

2匹

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-01-29

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