再会etc Ⅰ
今年は私の出不精の性格に似合わず、色んな人に会いに出かけた。
きっかけは春に働いた職場で適応障害になり、過去に私を受け入れてくれた人達に連絡を取りまくったこと。
誰一人味方のいない日々に耐え切れなかった。
元気をくれる人の声を聞きたくて。優しい母性あふれる友達の声で安心したくて。私を客観視して適切な意見を述べてほしくて。
不思議なことにケンカ別れになってしまった友達も連絡をくれ、久しぶりに本音で話し合うことができ、とてもうれしかった。
元々生理前症候群の情緒不安定がひどくなり、軽いウツ気味ではあったが、それとは明らかに違う症状で(主に、苦手な人がいる側だけ頭痛、普段は緊張で便秘なのに毎日下痢、会社にいる間まったく食欲が無い)通院している医者に相談したら適応障害と診断された。ウツと関係ないことには安心したが、まさか違う病気にまでかかるとは。
その間、私自身は「職場マジック」と言って、その職場で唯一話が出来た男性と浮気という逃げ場まで作った。後に後悔することになるのだが・・・
長期で働きたかったが自分の体の方が大事、最初の派遣契約期間だけ全うして辞めさせてもらった。その後、適応障害とマジックはすぐどこかにいなくなってしまった。心身は正直だ。
自由になった身で連絡を取った人達に次々会った。会う人会う人から、色んな価値観を吸収させてもらった。頑固な自分を少し抑えて聞く耳を持った。
一番印象に残っているのは、疎遠になっていた父方の親戚。その人と会うのはもう何十年ぶり、私の小さな頃を覚えていてくれた。なんと、私が物心つく前はまるでトトロに出てくるメイちゃんみたいに天真爛漫だったそうだ。私の中のメイちゃんである部分はとても遠くに感じ、知らない自分との再会と言える。
けれど親戚はあなたの中にいるはずと言ってくれた。そして今まで苦労した分これからは自分を愛しなさいとの助言。身近にいる家族からは得られない言葉だった。
自分を愛するってどんなことだろう。甘やかすのとは違う。自分の為に無理せず生きることだろうか。
私には知り合って5年になる男性の同居人がいる。以前は恋人関係にあったが、元々性関係は希薄で彼にはそれが重荷であり精神的な繋がりを重視してきた為、同棲ではなく利害関係が一致する同居という形を取った。もちろん私の浮気が発端となり、お互いの隠していた性癖までとことん話しあった結果だ。
私にとって彼は対人関係やメンタルにおいて良き理解者だ。家族以上と言い切れる。彼は恋人という足枷が無くなり、充実した日々を過ごし毎日がとても楽しいそうだ。そんな彼を見ているとほっとする、イコール、私が原因で傷付いた彼を見ないで済むからだ。
私はというと、一応女である以上、女として男に求められたい。「職場マジック」でまだ自分が女の体であることを確認してしまったことが大きな変化となった。
では女である部分をこれからどうやって埋め合わせしていくのか?
同居人との平和な毎日の中、若干の物足りなさを感じていた矢先、また新たな人と再会を果たすこととなる。
再会etc Ⅰ