ラブ&ヘイト 見習い天使と見習い堕天使の物語(3)

第三章 天使へのステップⅠ

 俺は、背中の羽をゆっくりと羽ばたかせながら、地上三百メートルの高さから、行き交う人々を眺めている。
「さあ、誰から、助けたものかな」
 空から地上を見下ろすと、人間同士、関係性を否定するかのように、互いに、無視しながら歩いている。誰も他人を避けながら、誰も他人の存在を否定している。ある意味において、こうした方が、互いを憎み合うこともなく、幸せで良好な関係を保てるのかもしれない。だけど、一旦、地震や火事、車の衝突事故など、災害が起こった場合、みんな自分ことが精一杯で、例えば、道にじいさんが倒れていても、満員電車に老婆が這いつくばっていても、知らん顔なのだろう。あいさつをすることもなく、人を柱や石ころなど障害物のようにして避けて歩くのだ。避けることで、自分だけは難をのがれる。しかし、いつまでも避け続けることはできないだろう。その時に、普段から、関係しあうことを拒否してきた人間は、自分だけが正しいと相手を真っ向から否定し、衝突せざるをえないのではないか。俺は、さわやかな風に吹かれながら、地上のゴミどもを眺めている。
「誰か、いい人いないかな。誰か、いい人いないかな。誰か、いい人いないかな。誰か、いい人いないかな」
 俺は、思わずリズムや音符をつけて、四回くちずさんだ。だが、本当はそんな余裕はない。大天使様からの課題を今日中に片づけないと、それこそ堕天使だ。まさか、堕天使の世界でも、大堕天使、中堕天使、小堕天使、はてまた見習堕天使がいるのかなあ。多分、どこの組織でも、縦関係・階級制度はあるから、きっと、堕天使の世界に行けば、また、見習から始めなければならないのだろう。トイレから始まり、風呂、玄関前など、新人はいつも掃除から始まる。トイレの堕天使か。社長が率先してトイレ掃除をすることで、大会社になったところもあるらしい。だが、また、一から初心者をやり直すのは、勘弁してくれだ。
 でも、待てよ。このまま、堕天使の世界に落ちても、堕天使でも使い物にならなかったら、どうなるのだろうか?ひっくり返って、天使の世界に戻れるんじゃないだろうか。それなら、安心して、今回のテストを受けられる。もし、四組の人間を幸せにできなくて、天使の世界を追放されても、堕天使の世界で、例えば、人を不幸に導く、アンハッピーノートか何かがあって、その試験に合格できずに、「お前なんか、天使の国に帰ってしまえ」なんて、都合のいい展開はないだろうか。だが、それなら、これまでにも、堕天使の国から天使の国に戻ってきた奴がいるはずだが、そんな話を聞いたことはない。やはり、堕天使の国で通用しない奴は、それより以下の世界に落ちるのだろうか。
 だが、そんな心配ばかりをしていても始まらない。兎に角、今、俺は、天使の国の崖っぷちに突っ立っている。下を覗けば、堕天使の国だ。ここで、力の限りを発揮して、一世一代の大仕事に取り組まなければならない。と、まあ、いつものとおり、掛け声だけは大きいけれど。さあ、獲物はどこかな。あれ、あの駅前に佇んでいる女の子はどうだろうか?駅から出て来た人にフリーペーパーを配っているが、誰も受け取ろうとしていない。腕には、山抱え程の冊子と、足元にもビニールのひもでくくられた束。朝の通勤・通学客はほとんどいない。このまま、一日、立ちんぼうかな、よし、近づいてみよう。

「あーあ、ほんと、やんなっちゃう。まだ、こんなに配らないといけない」
 洋子は、重くのしかかる無料の求人情報誌をうらめしそうに見つめる。名前はフリーなのにノルマがあるため、全然自由にはならない。朝の七時から配り出したが、人の一番多いピークの八時から八時三十分はとうに過ぎ去っている。配り始めの頃、東の空を見ると、太陽は赤く、日の出がこんなに素晴らしいものかとかと思ったが、今は黄色く光り、まぶしいだけで、体中の力を奪う。もう少し時間が経過すれば、頭の真上から照射され、ますます生気が失われる。さっさとやり終えないと。今日の残った仕事は、この手に抱えた求人情報誌と足元の大束。これじゃ、昼までに配り切るのは無理だ。夕方の五時以降の帰宅途中のサラリーマンやOLを再び狙うしかない。まてよ、今日は、午後からも別の情報誌を配る仕事だ。街なかの喫茶や居酒屋、美容室をPRした冊子だ。そのバイトもこの求人雑誌で見つけたものだ。あーあー、ほんと、いやになっちゃう。
 同僚の純子を見る。純子は相対して、向こう側に立っている。足もとにはもう束はない、あと右手に持っている数枚だけ。純子がさっと動いた。正面玄関から出てきたおばあさん三人組の胸に押しつけるように渡すと、こちらを振り返り、手を振る。もう終わったから一旦事務所に返るとの合図。余裕の顔だ。
 悔しい。今日もまた、先を越された。こちらも、求人誌を持ったまま、形式的に手を振り返す。あんなおばあさんに求人情報を渡しても、全く、意味がないだろうと思いながら、押しの強い和子に憧れたりもする。とにかく、早く、この求人誌を配り終わらないと、今日の一日の日程全てが狂ってしまう。目の前に、大きな影が見えた。お客さんだ!
「どうぞ」
 洋子は、求人誌を差し出す。冊子は洋子の手から離れずに、また、影も立ち尽くしたままだ。ふと、顔を上げる。そこには、白い衣装をゆったりとはおった一人の男?女?がいた。どこかで見たことがあるような、ないような出で立ち。
「あなた、誰?同業者?」
こんなかっこうをすれば、目立って、道行く人は面白がって、求人情報誌を受け取ってくれるかもしれない。と、いうことは、アルバイト先から派遣され、状況を見に来た調査員?監督員?
「まだ、こんなにたくさん残っていますけど、必ず、配り終えます。もう直ぐしたら、次の便の電車がきます。降りて来たお客さん全員に渡せば、配り終えます。完了です」
 洋子は、慌てながらも、必死で、言い訳をする。今は、お客さんが一番少ない空白の時間。降りてくる客なんて、わずかだと知っている。一人当たり、十部、いや二十部、はてまた三十部程度渡さなければ、この数をはけることはできない。まさか、虫めがねを使って、燃やしてしまうわけにもいかない。
 いや、待てよ、目の前の風変りなお客さんは、マジシャンかも。今の、この私の状況を助けてくれる神様?
「か、神様、私を助けて」
 洋子は、藁ではないけど神様の服を掴もうとした。
(見習い天使)
 誰が、神様だって。残念だけど、俺は神様じゃない。残念だけど天使でもない。見習天使だ。だが、普通の人が見れば、神も天使も、見分けはつかないだろう。ここで、怒ったところでどうなるわけでもない。返って、初心者マークを着けた状態が長引くだけだ。笑って、笑って。
「私は、神様じゃありません。見習、いや、天使です」
胸を張って答える。天使、何ていい響きだ。早く、天使になりたあい。
(洋子)
 ほらほら、いるんだよ。世の中には、こんな変な奴が。つい、困って、見知らぬ人に助けを求めたけれど、まさか、自分から天使だと言いだすとは。こんな奴に長居されたら、本当にバイトが終わらない。適当にあしらわないと。
「あらっ、ごめんなさい。あたし、神様と天使の見分けがつかなくて。今、忙しいので失礼します」
 洋子は天使の羽をするりと横切り、
「週刊アルバイト情報誌、いかがですか」
と、大声を上げ、駅から出てくる人に渡そうとした。だが、乗客も洋子の側をするりとすり抜けて行く。赤い制服の洋子と白い服の見習い天使。紅白の目出たい二人だが、目立ち過ぎ変な奴と思われ、誰も相手にしてくれない。
「もう、やんなっちゃうな。天使だか、神様だか、わかないけど、あたしの邪魔をしないでくれる」
 洋子は、振り向きざま、口をとがらし、俺に向かって言い放つ。
 おっと、相手を助けるつもりが、相手を怒らせているぞ。
「いやいや、邪魔するなんて、そんなつもりはありませんよ。反対に、困っているあなたを手助けしたいんですよ」
見習い天使は、手を振り、否定しながら、笑顔で応える。
「とにかく、今のあなたの望みは、手に持っている求人情報誌を配り終えればいいんですよね?」
「そうよ、時間がないの。天使さん、あなた手伝ってくれるの?一人よりも二人の方がいいわ。それに、そのコスチューム、ユルキャラっぽくて、いいかも。「天使が、あなたを魅惑の仕事にお誘いします」っていう、キャッチフレーズは、どうかしら」
(見習い天使)
 誰が、ユルキャラだ。どこかの地方自治体の町おこし事業じゃあるまいし、この見習い天使様を何だと思っているのか、と、ここで怒っちゃいけない。折角の、見習い天使が、見習い堕天使に落ちこぼれちゃ、これまでの努力が水の泡だ。ここは、我慢、我慢。
 その時、他の女の子が、近づいてきた。
「洋子、まだやっているの。あたし、もう終わったから、帰るわよ、バイバイ」
 洋子と同じ法被を羽織っている。
「あら、この人、何?変な衣装を着ているわね。あっ、そうか、自分の仕事が終わらないから、応援頼んだんだ。でも、こんなキャラじゃ、よけいにお客さんが引いてしまうんじゃないの。洋子は、相変わらず、バイトも、友達選びも、服も、センスが悪いんだから。もし、よかったら、配るのを手伝ってあげようか」
「この人は関係ないわ。あたしに勝手に近づいてきただけよ。それに、今日は、たまたま、ハケ具合が悪いだけ。少し、早いからって、威張んないでね。お疲れ様、さっさと、帰ったら。あなたも忙しいんでしょう?あっ、求人情報誌いかがですか」
洋子は、二人を残し、目の前を通り過ぎる人に渡そうとするが、受け取ってもらえない。
「おお、怖っ、そんな顔つきや声で、誰が、受けとってもらえるかしら。あなたも、あまり洋子に関わらない方がいいよ。じゃあね、バイバイ」
「誰が、あんたなんかに手伝ってもらうもんか。それより、そこの天使さん、あたしに用がないのなら、さっさとどこかに行ってよ」
(見習い天使)
 おお、怖っ。確かに、あの女が言うように、洋子の鬼瓦のような顔では、人は避けることがあっても、近づいてくることはないだろう。それよりも、自分の心配が先だ。この洋子とあのアルバイト仲間をラブラブ関係にさせることができるのか。
見習い天使は、懐から、ノートを取り出した。
大天使様がおっしゃったように、ただ単に、このノートに名前を書くだけで、あんなに仲の悪い二人が、本当に、仲良くなるのかな。まあ、何でも、やってみよう!
「あの、洋子さん」
「何、まだ、あんた、いたの?それに、洋子だなんて、馴れ馴れしく呼ばないでよ」
 鬼の次は、悪魔の顔だ。お祓い、お祓い!
「見習い天使こと、私も、この地上に降りてきて、人間のあなたと、初めてお知り合いになれたのだから、是非、フルネームを教えていただきたいのです」
「うるさいわね。でも、教えたら、この場から、いなくなってくれる?それだったら、教えてもいいわよ」
「もちろんです。是非、お願いします」
 見習いかもしれないが、天使の俺が、何故、こんな、小娘に頭を下げなくてはならないんだ。と、天使の輪っかを頭からはずして、投げつけたくなったけれど、ここは、我慢、我慢。ひたすら我慢。
「じゃあ、教えてあげる、「田中 洋子」よ。「自然に恵まれ、稲穂が実る田んぼ」の「田」に、「世界の中心は私のためにある」の「中」。それに、「世界一大きな海の太平洋」の「洋」に、「未来が明るい子ども」の「子」。続けて、「田中 洋子」。わかった!」
 すごい。すごすぎる。自己に対する完全なる全面肯定だ。
「ありがとうございます。さらに、もうひとつお願いします。あの、さっきの彼女、純子さんって、言いましたよね。彼女のフルネームは?」
「なんで、あんな奴の名前を、あたしがあなたに言わなきゃならないの。口にするのも穢わらしい」
「そこをなんとか」
 天使のわっかが見えるくらい、頭を下げる。輪かっかからは怒りの湯気が立ちあがっているはずだ。今、頭の上にやかんを置けば、チベットで鏡を使ったお湯沸かしに匹敵するほど、短時間でお湯が沸くはずだ。
「じゃあ、言ってあげる。「山本 純子」。「人でなしの山族」の「山」に、「本当のことを決して言わない嘘つきの「本」に、「不純でいっぱい」の「純」、それに、「不幸でおおわれた子ども」の「子」。「山本 純子」よ。わかった、もう、二度と言わないわよ。ペッ」
 田中洋子は、大きな音がするぐらいの勢いで、つばを地面に吐き捨てた。
(見習い天使)
 感心するほど他人の完全なる全面否定。俺は背中の羽から抜いた羽根ペンで、二人の名前をノートに書きつけた。果たして、何らかの効果が現われるのか。
 一分経過。何の兆候もない。田中洋子は、相変わらず不機嫌そうな顔で、求人雑誌を手に持ったままだ。二分経過。ただ、時計の針が動いただけだ。状況は変わらない。こうして、時間だけが、人生だけが過ぎていくのか。五分経過。やはり三分前と同じ。その場が凍りついたようだ。ただ、黙ったまま突っ立っているのは辛い。
「あんた、まだ、ここにいるの?天使だか、天丼だか、知らないけれど、いいかげんに、あっちへ行ってよ。あんたがいると、お客さんが気味悪がって、こちらにこないじゃないの。しっしっ」
 洋子は、手に持っていた冊子で、俺を犬のように追い払おうとした。もう、昼前だ。状況は、以前として、最悪。大天使様に、一杯喰わされたかもしれない。こうなりゃ、洋子が言うように、天丼でも、腹一杯、食ってやろう。支払は、大天使様の、天使印のクレジットカードだ。俺をだました罪だ。文句はないだろう。
 俺は、あきらめて、洋子の側を立ち去ろうとした。照りつける太陽の洋子の影を踏みつけながら。哀しいかな、天使のプライドを守るため、これが俺のささやかな逆襲だ。その時、バタバタッ、バタバタッと音がだんだんと大きくなって近づいてくる。ドップラー効果だ。俺の前方、 洋子の後方から、あの不純の純子が走ってきたのだ。
「洋子、どう?まだ、仕事終わらないの?」
 先ほどの、嫌味たっぷりの言いかたではない。本当に、相手を心配した声だ。
 対して、洋子は、
「うん、まだ、これだけあるの。でも、大丈夫。なんとか、ひとりで配ってみせるわ」
こちらも、笑顔で応える。俺にもその笑顔の皺の一部でもくれよと思いながら、状況が一変したと感じた。このまま様子を見てみよう。ただ、黙って二人をみる。
「そんなこと言わないで。私も、手伝ってあげるよ」
「そんな、純子に悪いわ。もともと、あたしが愚図だから、こうなっちゃったんだもの。責任は、あたしにあるの」
「そんなことはないわ。一緒に、駅前で配っているのだから、どちらとも同じに時間帯に終わらないとおかしいわ。少し、あたしが強引なだけ。洋子は、少しも愚図じゃないわ」
「ありがとう、純子」
「お礼はいいから、さあ、貸して。さっさと配り終えましょう。一人よりも二人の方が早く終わるわ」
 純子は、そう言うと、洋子の足もとに積み上げられているフリーペーパーの束を体で抱えると、駅の方に走って行った。
「待って、純子。私も行くわ」
 先ほどまでの関係が嘘だったかのように、二人は、仲むつまじく、手と手をとり合うように、求人情報誌を配っている。洋子も純子も互いに笑顔だ。ものの五分も立たないうちに、二人は、俺のところに戻ってきた。さっきの五分に比べて、あっという間に時間が過ぎた。同じ五分なのにこうも違うのか。
「やっと終わったね」
「ありがとう、純子。お陰で、全部配りきれたわ。午後からの、アルバイトに間に合うわ。もし、よかったら、お昼一緒にしない。お礼に驕るわ」
「いいのよ、気にしないで。お互いさまよ。今度、あたしが、もたもたして、配りきれなかったら、手伝ってね」
「いいともー」
「ホント、もう十二時ね」
 二人は顔と顔を寄せ合うほど密着してここから立ち去って行く。取り残されたのは俺。
「あっ、天使さん」
 洋子が振り返った。
「なんだかしらないけれど、ありがとう」
「この人、誰?」
「あたしもよく知らないけれど、天使だって」
「へえー、天使って、本当に、いたんだ。映画や小説、絵画の中だけかと思った」
「そう、天使なの」
 俺は、「見習いだと」付け加えようとしたが、相手が天使だと思い込んでいるのをあえて否定しなかった。「天使」、なんていい響きだ。
「その天使が、どうしたの?何か、あったの?」
「そうじゃなくて、天使が来てくれたおかげで、純子とも仲良くなれたし、情報誌は昼前に配り終えられたわ。一天使二得よ」
「そう、洋子が、お礼を言うのなら、あたしも礼を言うわ。天使さん、ありがとう!」
 二人は、仲良く腕組みをして、俺の元を去っていった。
 うまくいった。ラブ・ノートの力なのか。だけど、まだラブ・ノートを信用しきれない俺。もう一度、二人の名前を書いたページをめくる。「田中 洋子」、「山本 純子」の名前が記されたままだ。消えてはいない。大天使様が空に何か字が浮かぶと言っていたのを思い出した。確か、東の空だな。今、俺は太陽を見ている。東は、俺の左方向だ。体の向きを変える。屋根型の山が見える。山なんて、三角形だと思っていたが、この山は頂上が平べったい。頂点がない。好いように言えば、この街の人間も、誰が上でも下でもなく、今の洋子と純子と同じように、同等の関係を象徴しているのか。こんなことを考えるのは俺も天使への階段を一歩上っているのかもしれない。やがては大天使様と肩を並べられるぞ。
 痛っ。
 金のわっかが閉まった。お調子者の俺に対する大天使様の戒めだ。平らな山の上を見る。何も浮かんでいない。大天使様のいたずらか。左の方に頭を動かす。海の方だ。何か浮かんでいる。雲?ジェット雲で書いたのか字が見える。そこには、「L」の字が浮かび上がっている。「L」?何の綴りだろう。今はわからない。だが、残り三文字だ。とりあえず、ひと組目は成功だ。残り三組。じっとしていても、獲物は見つからない。俺は、自慢の羽をはばたかせながら、空に舞い上がった。駅前広場には、石の椅子が置いてあり、荷物を持って、パンフレットを眺めている観光客や時間つぶしの背広姿の営業マン、日向ぼっこの年寄りたちが座っている。なんら争いはない。動きもない。後ろにハンカチでも落としてやらなければ、決して動こうとはしないだろう。彼らは、ここで、日がな一日、のんびりとした時間を過ごすのか。だが、椅子と椅子との間。微妙に離れた距離はなんだろう。互いに関係性を断つことで、自分を守ろうとしているのだろうか。

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見習い天使と見習い堕天使が、天使と堕天使になるための修行の物語。第三章 天使へのステップⅠ

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-09

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