Cavatinaの朝

Cavatinaの朝


   






   







   





街の怠惰に吐き出す息が

今日も踏まれる

昨日消えた少女

排気口のガスに融解 

誰かの暗黙の一滴

音もない 明日も 誰もが

知らなかったものにして 去る

敢えて 渇いて

逃げはぐれたい 虚無の弧

決して人が要らなければ......

また帰着する

秘密のまま朽ちたくて

忘れた声 背中を撃ち抜く

しょぼい無残さ

命もない文字列

引き裂いた肖像が 毀れる

嫌悪するまで 愛したら

どこからも死んでくれるか?

レボトミン蝕む

乾いた壁を選び

墓碑銘

蹴り

刻む

哀れな愚かでいい

なにも見たくない

寂しさの記憶

背を向けた

潰されまい

掻き消されるか

もう十分荒みきっただろうか

冷えてしまえ たとえ立ち去っても

雪の葉を追ったCavatinaの朝

とわに黙して 言葉還らず

夕刻の絶叫を 誰か引き継いでくれ 足音だけが残った

雨を逃れた地下道

ひとつのここ

潜めて 

戻らぬ人を待った
   






   







   

Cavatinaの朝

“Cavatina”は曲の名前。『ディア・ハンター』という映画のテーマ曲。
https://youtu.be/xAAiYMgFcbw

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

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先端KANQ38 公式サイト https://neuedada.wixsite.com/kanq38

Cavatinaの朝

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-01-19

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