Cavatinaの朝
街の怠惰に吐き出す息が
今日も踏まれる
昨日消えた少女
排気口のガスに融解
誰かの暗黙の一滴
音もない 明日も 誰もが
知らなかったものにして 去る
敢えて 渇いて
逃げはぐれたい 虚無の弧
決して人が要らなければ......
また帰着する
秘密のまま朽ちたくて
忘れた声 背中を撃ち抜く
しょぼい無残さ
命もない文字列
引き裂いた肖像が 毀れる
嫌悪するまで 愛したら
どこからも死んでくれるか?
レボトミン蝕む
乾いた壁を選び
墓碑銘
蹴り
刻む
哀れな愚かでいい
なにも見たくない
寂しさの記憶
背を向けた
潰されまい
掻き消されるか
もう十分荒みきっただろうか
冷えてしまえ たとえ立ち去っても
雪の葉を追ったCavatinaの朝
とわに黙して 言葉還らず
夕刻の絶叫を 誰か引き継いでくれ 足音だけが残った
雨を逃れた地下道
ひとつのここ
潜めて
戻らぬ人を待った
Cavatinaの朝
“Cavatina”は曲の名前。『ディア・ハンター』という映画のテーマ曲。
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