宇宙のガラクタ

『宇宙のガラクタ』



 クリームを舐める君の横顔

 露にまみれた窓

 銀色に光るハンガー

 読み止しの文庫

 君が脱ぎ捨てたスカート

 僕の靴下、一組。



 君のスマホがチカッと点滅して

 僕は夜空に目をやる。



 何も見えない

 ガラス越しの都会の空。



 君を急かし、

 僕を絶え間なく不安がらせる、

 ありふれた虚しさと、恋しさが

 暖房の風に吹かれて乾いていく。



 ぬるくなった君の缶チューハイ

 借りてきたばかりのDVD

 ちゃちな写真立て

 くたびれたクッション

 僕らのサボテン

 君の誕生日ケーキ。

宇宙のガラクタ

宇宙のガラクタ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-01-17

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