宇宙のガラクタ
『宇宙のガラクタ』
クリームを舐める君の横顔
露にまみれた窓
銀色に光るハンガー
読み止しの文庫
君が脱ぎ捨てたスカート
僕の靴下、一組。
君のスマホがチカッと点滅して
僕は夜空に目をやる。
何も見えない
ガラス越しの都会の空。
君を急かし、
僕を絶え間なく不安がらせる、
ありふれた虚しさと、恋しさが
暖房の風に吹かれて乾いていく。
ぬるくなった君の缶チューハイ
借りてきたばかりのDVD
ちゃちな写真立て
くたびれたクッション
僕らのサボテン
君の誕生日ケーキ。
宇宙のガラクタ