「いンビじブる。」 第1章
これは、中学3年生が主人公の短編小説。
「あぁ~暇ぁ~」
俺は今、家で適当にネットで遊んでいる。
俺は、中学三年生の受験生(ネットオタク)の拓斗だ。とは言っても、志望する高校なんてないから、もちろん、勉強なんかそっちのけだ。親には、「少しは勉強したら?」なんて言われるけど、勉強したって意味ないし。まぁ、なんだかんだ言って、学校は行ってっからいんだけど。
俺は、学校に行く途中、友人の家に行った。
「おぉっ、拓斗、おはよう!」
こいつは佐久夜。友人って言っても、たまたま、チャット仲間が一緒の学校だったからってだけで知り合った。幼なじみだったとかではない。同級生で二人でたまにネットで遊んだりする。
「じゃあ、そろそろ学校行くべ。おくれるし。」
佐久夜が言った。確かにそんな時間だ。俺と佐久夜は学校に向かった。
今日の学校は、やけに騒がしい。
「なに騒がしんだ?」
俺は、クラスの学級委員、恵徒に聞いた。
「なんか、噂によると、今流行ってるネットゲームの、「いンビじブる。」って言うゲームが問題になってるんだ。
問題?なんだそれは?なんか、オタク精神を揺さぶるなぁ。
「そんなこと言ってる場合か!」
そんなことって・・・。じゃあ、どう言う問題なんだよ。
「なんでも、そのゲームに登録する時、「このゲーム内で助け出すための生贄を一人選択してください。」ってなるらしんだ。」
そんなバカな。俺は、数々のネットゲームをやってきたけど、そんなのみたことないぜ。
それに・・・・・・。
「ガラガラガラ!」
突然、教室の戸が開いた。先生だ。
先生の名は堺。自称「熱血教師」。その名の通り、ただ、暑苦しいだけ。そんなんでウケねらっても、なんもないってのに、まだキャラ維持してんだよな。
「今、生徒達でも話題になっていたと思うが、とあるネットゲームがもんだいになっているらしい。十分、注意するように!」
「はぁ~い」
そりゃそうだ。そんなゲーム、だれがやるかってんだよ。少しは、考えろよな。
そんなこんなで、今日の授業は終わった。
今日は佐久夜とネットでチャットでもするかなぁ~。なんて思ってた。
家に帰って、さっそくネット。佐久夜、やってるかなぁ。
おぉ、やってる、やってる。
あ、メッセージだ。
「あのさ・・・、今日言ってた「いンビじブる。」やってみない?w」
バ・・・バカ!普通に考えろよ!あんなのだれがやるか!
・・・ってチャットで送り返した。そしたら、
「HP開いてみるだけでいいから~」
・・・はぁ・・・。あきれる。どこまでやりたいんだよ。一人でやればいいのに・・・。
まぁ、HPってだけなら、いっか。
「じゃあ、俺んちでやろ。」
そう言って、佐久夜を待った。
「お邪魔しま~す!」
ったく、お邪魔すんなっつーの。(あ、誘ったの俺か)
つーわけで、「いンビじブる。」のHPを開くことになった。でも、いたって最初は変わったところはない。
「ちょっと登録画面行ってみてよっ」
佐久夜が言った。まぁ、行ってみるか。お?なんか出てきたぞ。不気味だなぁ・・・。
「あのさ・・・。」
ん?なんだよ急に。
「・・・・・・登録してみない?」
・・・・・!!?
まさか!そんな!
「いや、嘘。ちょっと言ってみただけ。」
いや、さっきの顔、本気だったな。でも、なんかおもしろそうだなぁ。
「よし、佐久夜、やってみっか!」
「そうこなくっちゃ!」
俺ら二人は結局、登録することにした。
「でも、拓斗。だれを生贄にすんの?」
確かにそうだ。肝心なのはそこ。あっ、そうだ。
「恵徒はどうかな?」
「なるほど。それはいいかも!」
学級委員の恵徒は、とにかく真面目。そしてうるさい。うるさいと言うのも、特に俺たち二人には。
「オタク?そんなのいいから、受験の勉強しろ!」
とか言ってくるし。親じゃねんだから、静かにしろやって感じ。
「よし。そうとなれば、さっそく登録だ。」
ん?なんだこれ?注意事項?なになに?
「このゲームには3人以上まで参加できます。主人公のプレイヤー達は、インビジブル、つまり、「透明人間」になります。」
だってよ。おぉ。なんか、おもしろそうじゃん。
「じゃあ、セーブデータ作りますか。」
生贄を「恵徒」っと。おぉ、なんかでてきた。すげー!3Dみたいだー!
「セーブデータを作成したことにより、あなたは透明人間になります。あなたは生贄となった人を救い出すために冒険に行くことになります。よろしいですか?」
もちろん、はい。
「では、冒険の旅へ。いってらっしゃいませ・・・。」
こうして、拓斗と佐久夜の冒険の旅が始まった。
しかし、
こんなことになるなんて・・・・・・。
END
「いンビじブる。」 第1章
ついにセーブデータを作成してしまった拓斗と佐久夜の二人。
そこは、いたって普通の現実世界。
しかし、行く人みんなに声をかけても反応がない・・・。
二人は本当の透明人間になってしまった!