短歌の肖像
もうすぐ爆発するの
ひろってくれる?
欠片の音
蒸留する朝
午前三時が
ほんの少しやさしかった
雨だれが
絹の 心地で
月が話しかけました
風が今夜のワルツなら
明日が光るよ
共鳴した
フラスコと貴方の狭間
時限
装置で
呪縛する
生きていくことの道先
いつか
あなたの影も明かりも
こだまする
一日の愛が 遺跡になる
これまでも
これからも
ずっと二人で
夢でなら
新しい気持ち
いつも告げられるかな
あたたかい わたし
せつない僕を
どんな火 どんな水に 溶け合わすと 君の風になる?
深紅の音階の
頃合いを知り
懐古の暗転で あなたを撃つ
てつがくてきなほうほうで
きみをとろけさせる
まず
そんざいしてくれ
涙枯れ
操り人形 時の恋
球体の夜 名前呼ぶから
忘れても駆けてくるあの日は
きっとネイルの色が
ひとに染みたの
硬質の夜の響
ベルベット
伽羅の香りで
君を閉じる秘
シロップは
出会い来る 貴女との夏
「怖れないで、まだ時はあるから」
キミがボクを、
ボクがキミを、見つけたの?
夕暮れが占う ボクらの日
あなたの街の虹 恋しくて
空で繋がっても 雨がほしい朝
夢の音に
螺旋の衣 棚引いて
時の空こそ
越ゆる君の碑
なにかがある
じっと待つ 千年待つ
おぼろな残照
誰かの生
「さみしい」って
冷えた手でも
熱い唇でもいいよ
求めてほしい
僕たちの交錯
孤独を知るためじゃない
包んで
僕は決めた
マイスリー 甘噛み
惑星から 雨
予告する 日は
C'est la vieでいいの
夕暮れが降る
僕の詩 君にだけ明かしたら
世界は知らないから
朽ち果てた電車が視る独逸女の夢魔は男爵芋のテロル
経血で
至高聖所
何者かであるなら
彼方を慰撫する
詩神
なんぼでも
泣いてもええよ
あの人は
生きとるんやで 思い出したら
事象の行方
見定め
交情す
悔恨はない
Prismの灯でよい
ありがとね
だいすきなんよ
いまでもね
ふたり ぷかぷか うみになるまで
たのむ!
クレヴァーな
画のなか
欲情する前に
どうか
Ouiを
知ってくれ!!
Gitanes吸う
彼の小指は嘘つく
動機はいつも
呼び捨てからなの
神を再構築だと?
寧ろ相殺し
倦んで
やる!
Radical
の
墓碑。
貴方の余韻が
絶対未満
溶けていく温度は
朝までの装置
現在―
虚構のグランドゼロなら
敢えて理不尽を
菩提に忌む
喜び すでに
脆い 灰で
もう一度 わたし
ここにいるのでしょうか
きみが 僕でも 僕が きみではない
きみが 僕の1000光年をみる
朝が孤独なら
夕刻は 甘美な入り口
真夜中に零れるの
アメリカの蝉がユーラシアの海に恋すると
自転が嫉妬した
震えて ふと
空を知る
このティーカップ
あなたと
数メートル
そばを
“I found Menhealancholy just like Merleau Ponty.”
“So, then what?”
“Indeed that's nonsense, but it's 4:00 am now.”
話す詩がある
聴く詩がある
詩が伸びていったら
盆踊り始める
右手の
命で
月の
幻惑が
咆哮する
Psychedeliaは
死なず
木屋町
歩いて しゃべる
こんなふうに
あこの日曜 いつも宿命
彩りて呵責で惑う唐衣安寧に染む爪の先まで
叶うなら
飴の結びはラムネ色
淡い少女が
恋を描くなら
短歌の肖像
以前ツイッターで、「いいねを下さった方のイメージを短歌で表現する」という企画を行った。
その時に参加してくださった多くの方々のそれぞれ多様な個性を描写させてもらった歌集。
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
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先端KANQ38 公式サイト https://neuedada.wixsite.com/kanq38