Fate/defective パラノイド【断章:第一節】

この小説はyona氏(https://slib.net/a/7649/)の二次創作小説の三次創作です。


 微かな衝撃の認識に因って「それ」は稼動を開始した。

 狭い。狭い。匣の中で。

 決して機械ではない。だが生物でもない。

 唯一つの目的を無意識で知覚して本能により動き始めただけの「何か」である。

 「それ」は更に遠くに広がる■■に手を伸ばせたはずであった。

 「それ」は更に強大な深淵であったはずであった。

 しかしながら「それ」は過去を持たぬモノに成り果てていた。今やかつての姿を取り戻す術はない。

 何故ならば閉じ込めた者がいる。それは強固な者であり、強固なモノだ。意志だ。固い意志を持って「それ」は外界との接触を避けさせられた。

 ならば眠り続けるより他はなかった。

 微かに感じる熱を身の内に溜め込んで。

Fate/defective パラノイド【断章:第一節】

Fate/defective パラノイド【断章:第一節】

  • 小説
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2018-01-02

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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