異端神の悪戯

酔っ払った果ての悪戯です。それ以外の何者でもありません。

神は苦悩する。能力のない神なら尚更に苦悩する。

私は異端の神である。
このところ巡礼者も少ないものだからついぞ自分が神であるという事実さえ忘れてしまいそうだったくらいの、そんな異端の神である。

おお、なんと巡礼者が来た。
何日ぶりか、否、何週間ぶりか。
どれどれ。
私はもう張り切った。指をポキポキ、ひ弱な体だものだからあんまり鳴らないのに、もう無理して鳴らしたりなんかして気張って、私は巡礼者と向き合った。
巡礼者は私が見えないから、もちろん御神体に向いて祈っている。それでも私は当然そんな真摯な巡礼者を見えているから、もうニコニコしながらバッチコイのポーズをしていた。
バッチコイ!!
巡礼者は、それは中年の女の巡礼者だったのだけれど、彼女は祈りながら、どうやら泣いていた。
「私には幼い子供がおりました。それが昨日病で亡くなりました。私には子供が全てだったのに。
父親は無関心です。自分の子供なのに、全く死を悼む様子もありません。
私には子供が全てだったのに。
お願いです。私の子供を帰して。
どうか、神様、お願いです」
巡礼者はそう言って泣いて、そして祈った。
なんと悲惨な話か、と神は思う。神は巡礼者にとてもとても同情した。もらい泣きまでしそうだった。
だけれど、同時に神はその巡礼者をから目を背けた。見ないふりをした。
神とはいえ所詮は異端に他ならない。その神には人を生き返らせる力は勿論のこと、その巡礼者を幸せにする如何なる御技もなかったのである。
同情したぶんだけ、神の無力感は一入だった。
神は落胆し、だから巡礼者から目を背けた。
巡礼者は一心に祈りを捧げている。そんな巡礼者の心から、神は目を逸らした。
人を生き返らせるなど、3000年級の信仰を集める超一級の神であってもできるはずもないことだ。なのに自分などができるはずもない、と神は天を仰いでいた。

異端神の悪戯

新年、更にはもう差し迫る新年度に向けて何かを言いたいような気がしました。でも、ストレートにはとてもとても。だから厨二病的に誤魔化した結果がコレです。
一読ありがとうございますm(_ _)m

異端神の悪戯

これは酔っ払った果ての悪戯に他なりません。私は真剣なほど、もの描こうとするとふざけてしまう、そんな気質のようです。 私は神ではありません。神と思われるはずもありません人間です。 それでも神と思われたなら、何を思えばいいのでしょう? テメェふざけんなヅ!!なのか? はたまた神に成ろうと気張ってから回るのか?

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-31

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