相対的世界
忘れてしまったのは
昨日課された宿題じゃなくて僕の意思
空気を合わせることや
なるべく目立たないことで
皆のご機嫌を伺ってきた
それにしても
いつも独りのあの娘は
何処から見ても別に楽しくなさそうだ
だけどこの世界で一番楽そうだ
君は今日も窓越しに青空を見てる
僕が知らない世界に生きてる
甘えてきたのは
子供ながらの我が儘じゃなくて大人の遺志
ゆとりを弄ぶことや
機器を使って危機を感じることは
果たしてその歳で必要か
それにしても
辛辣な社会に出たとして
誰かの舌で胡麻を磨るより
ただ同じ高さで握手したい
君は今日も眼鏡越しにアスファルトを見てる
僕は僕を忘れたまま生きていく
心地よくなくてもいいから
噂が蔓延しない
嘘が絆を壊さない
平穏な日々を過ごしたい
相対さなくてもいいから
夢を貶さない
愛が人を壊さない
幸せな日々を過ごしたい
静かに風が吹く木陰で過ごしたい
だから ねえ手を伸ばしてくれはしませんか
相対的世界