思いっきり贈った//// 26

ひとかけらの幸 26

会いたい!・・・・・・・。
それから数日して突然、またソフィーの想い綴った(つづった、言葉を重ねる)手紙が舞い込んだ。
まったく同心境! アンディ、それ以上! の!それ以上!!

デート当日、朝から胸がザワザワ騒ぐ。
顔を洗い何回鏡を覗き込んだことか、数少ない服をとっかえひっかえ着ては脱ぎ、何をするにしても、ソワソワ、、ウキウキ、、。

公園入り口での待ち合わせだった。
が、想定外中の想定外、行く途中でアンディはソフィーとぱったりと鉢合わせ。
リハなしの本番!あーしよ、こうなったらそーしよ、まったくの練習無し、一気にテンション百度に! 固まった、固まらなかった、溶けた。

よっ!げんきぃ!

げんきー!げんきー!寒くない?

わかいもーん、全然、沸騰百度!
それでも、ソフィーが差し出してくれた肩掛けの端っこを首周りに置く。

・・・・・・。

・・・・・・・。
ともに、しばし、沈黙。

ショールを互いに引き寄せ、いつの間にか、どちらともなく互いに数センチの距離、重なるシルエット。

両肩にそっと置いたアンディ。
その片手は頬へ、唇へ。ソフィーがその手を取り、胸に誘導。
何と温かな、何と柔らかな、一億%の感嘆。言葉を失う。

このシークレットなシーンはソフィーのアンディに対する精一杯のラブ贈りだった。

マギーに初めてしたキスはこれで四回になる。

歩いた、歩いた、話した,話した、いくらでも話した、とまらなかった、ずっとこのままで居たかった。

道端に咲く名も無い花を取るとソフィーの髪にはさんだ。

黄金の花となった。ソフィーもアンディに真似して付けた。

ふたり王冠をかぶったように互いを見てほほえむ。
お姫さまになった。
王子様になった。
白色な彩り放つ花が二人に似合ってる。

これで5回目のキス。深かった、あつかった。

言葉はもう要らない、分かり合えるほど互いの気持ちは分かっていた。

まるで恋の操り人形、傍らの草地にそっと沈む。

アンディにとって男になった瞬間、ソフィーにとっても。
互いに分かち合った。ちぎりの愛を。

それーえ!キャーアッアッ! 走った!ソフィーはアンディの背中ではしゃぐ!何処まで走っても二人の姿は一心同体。

こんな綺麗な夕陽、初めてだ。

うん、恥ずかしくなかった、あげたかったんだ。絶対に忘れないで!わすれたら殺すから!

ノックアウト!嬉し過ぎて言葉がない。
アタリメエだ、お嫁さん!世界一のお嫁さんにする!
出なかった言葉が出た、このひとこと。

二人の顔は、夕日に負けじと紅く染まる。
ズット長くそのままの顔がそこにどどまる。

タイヘン!マギーの門限だよ!

先程のおんぶ走行が再発した、それえええええ♪きゃーああああ♪

この日、この日のこと、このアツい感動波、生涯付いて回ることになるアンディ。

思いっきり贈った//// 26

思いっきり贈った//// 26

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-20

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