きっと、足りていない

 大学2年、冬ー
 今日も今日とて、朝は来る。
 騒音を鳴らす目覚まし時計を止めて、のろのろと起き上がる。
 何故、朝とはこんなにも気怠いものなのか。重たい躰を引きずって、風呂場へと向かう。シャワーから放たれる温水は凍っていた意識を少しずつ溶かしてくれる。風呂場から上がると、ハンガーから衣類をひったくり身に纏う。
 玄関へと向かい、勢い良くドアを開けると、そこは氷点下の世界。肌にピリピリと冷気があたり、夜の間にしんしんと降り積もった雪が眩しい。雪に覆われた銀盤に足をとられないよう注意して、通学路を駆ける。

きっと、足りていない

きっと、足りていない

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-18

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