きっと、足りていない
大学2年、冬ー
今日も今日とて、朝は来る。
騒音を鳴らす目覚まし時計を止めて、のろのろと起き上がる。
何故、朝とはこんなにも気怠いものなのか。重たい躰を引きずって、風呂場へと向かう。シャワーから放たれる温水は凍っていた意識を少しずつ溶かしてくれる。風呂場から上がると、ハンガーから衣類をひったくり身に纏う。
玄関へと向かい、勢い良くドアを開けると、そこは氷点下の世界。肌にピリピリと冷気があたり、夜の間にしんしんと降り積もった雪が眩しい。雪に覆われた銀盤に足をとられないよう注意して、通学路を駆ける。
きっと、足りていない