ユミルさん

ポプスト二次創作小説、3作目になります
前作との繋がりはないので、単品で読んでもらっても大丈夫です。補足する点があるとしたら、先生はエメリアが大好きです
単行本換算で30ページほどの短編で、呑気な日常モノとなっておりますので、気楽に読んでもらえると嬉しいです!

1.

「どっせーーいっ!」

 元気のいい掛け声と共に――グラウンドに巨大なクレーターが穿たれた。
 冒頭から突然何を言っているか分からないと思うが、ありのまま起こったことを話しているだけだぜ!

 砂で覆われた地面には巨大なアリ地獄のような円が形成され、それはまさに隕石の衝突でも受けたかのよう。砂埃が舞い上がって視界を覆い、衝撃の余波が砂塵となって押し寄せる。

 ようやく視界が開けると、クレーターの中心には困ったように立ち尽くす小さな少女の姿。
 なぜ追撃を仕掛けてこなかったのかというと――多分自分も見えなくて困ってたからだ。

「あちゃー、外しちゃったかー」

 呑気な声でにへらっと愛らしく笑う彼女は、ユミル・パーヤ。ウチの学園の生徒で、ドワーフ族の少女である。見た目はちっこくとも、ドワーフ族らしくどの種族にも劣らないほどの力強さを保有しており、要するにこの子は無茶苦茶しやがるということである。
 オレは大きく飛び退ってそれをかわし、クレーターを見つめて頬の筋肉をひくひくと痙攣させていた。

「おい、ユミr「よーし、じゃあ次はもっと本気で行くからね!」
「ぬおーい! ユミルさーん!」

 先生らしくビシッと指導してしんぜようと思ったら、即座に自発装填宣言をされてしまった。そして次の瞬間には有言実行でグイグイと力を溜め始めているではないか。

「少し待ちたまえユミルさん! 授業中の先生のお話はちゃんと聞きましょう!」

 ユミルは ちからをためている!

「ぬーん!」

 先生の声など耳に届いていないことを悟り、ヤられる前にヤれを実行すべくユミルに向かって飛びかかる。
 ユミルは大技を放つために魔力を充填している最中だ。思うように反撃はできないはず。よってこちらの攻撃に対して彼女のとり得る行動は、飛び退るかギリギリまで粘るか――と思いきや、向こうからもこちらへ突っ込んでくるではないか。
 相対的に凄まじい速度でユミルが迫り、間合いを崩され咄嗟のことでわずかに反応が遅れる。

 なるほど、力を溜めて全力で来ると見せかけて、半端な充填率で技を放つ。確かに威力は落ちるが、命中率は高まり堅実な作戦だと言える――と思ったら、するりと横を通り過ぎて行った。

 なるほど、距離を詰めると見せかけて逆に距離を取ることが目的――と思ったら、耳元で「あれっ」て聞こえて来たからフツーに無策だったことが判明した。オレの頭ん中はいい感じにかく乱されてますけどね!

 即座に振り返って先制攻撃を――「それじゃ、行っくよー!」

 わーお! はやーい!

 最近、様々な能力のとある一点を見ると、生徒たちに勝てないということが増えてきた。それぞれが自分の得意分野を見つけ、得意な戦闘スタイルどんどんと伸ばしていっている。生徒たちが成長するさまを実感できるのは嬉しいこと、なのだが。

 ――とりあえず、ユミルの全力は、ヤバい!

 そこそこ本格的に死の香りが漂う。弾丸みたいに真っすぐ突っ込んで来るユミルを正面に見据えつつ、可能な限りの魔力防壁を必死で展開しまくった。
 1枚や2枚じゃとても足りない。大げさすぎるほどに全力でやらなければ、怪我だけではすまない。防御はさほど得意ではないが、粉砕を免れる程度であれば十分に可能だろう。いや、可能であってほしい。でなければ死ぬ。

 いやー、生徒が強くなってて先生感激です!などと現実逃避も交えつつ、オレは半泣きで防壁を張り続けた。
 ユミルのどデカいハンマーが振り上げられる。魔力防壁越しに満面の笑みを浮かべたユミルが迫る。ユミルが太陽を背負い、オレの全身を影が覆う。風の唸りに、ユミルの嬉々とした叫び声が重なった。

「せんせーぃ! かくごぉーー!」

 無論、覚悟は出来ております!

 直後、大気が激しく振動する。次々と防壁を貫き、力の奔流が押し寄せる。最後の1枚まであっさりと破られ、こちらからも攻撃を放って威力を相殺し――。

 ――インパクト。防壁をぶち破って到達した、身を押し潰すような凄まじい衝撃がオレの身体を易々とぶっ飛ばした。
 ほんの一瞬、意識が途切れた。昏迷の狭間に数mほど宙を舞っていたが、感覚神経は指先まで健在で、三半規管も正常に稼働している。
 空中で姿勢を整えることこそかなわなかったものの、衝撃を殺しつつ地面を転がりながら体勢を整え、ざりざりと土を削りながらどうにかまともな姿勢を保って制止した。

 荒い息を吐きながら正面を向く。視線の先には、楽しそうな苦笑いという器用な表情を浮かべたユミルがペタリと座り込んでいた。
 追撃の意志は見られず、魔力はほぼ空っぽになっていることが見て取れる。

「ありゃー、止められちゃったかー。やっぱ先生は強いねー」

 えへへ、そうでしょ。みんなの先生だから頑張ってるんだよー。
「――じゃねえよ!」

ズシャ、と地面を踏みしめてふらりと足元を危うくしながらも、ズカズカとユミルに歩み寄る。そのままズゴン!とゲンコツを振り下ろした。

「いたっ! もう、先生痛いってば。もう、力使いきって動けないんだからやめてよー」
「だから怒ってんの!」

 ペシペシと頭部に制裁を加えつつ、お説教タイム開幕。

「お聞きしたいのですが、戦術ってご存知ですか!」
「あ、知ってる! この前レンゲさんに教えてもらって、すごく美味しかった!」
「何の話をしておるのだ」
「え、あんみつでしょ?」
「ベタか! ボケがベタか! そして無理やりすぎるわ!」
「わはー、もう叩かないでってばー。あはは!」

 依然楽しそうなユミルの頭を掴んで、ぐりんぐりんとかき回す。それでもユミルは楽しそうだ。くそっ、なんだコイツ、カワイイかよ。

「てか、直撃したらオレ死んじゃうレベルだったんですが」
「だって、本気でやらないと先生には勝てないかなーって」
「立派な心掛けだけど、もっと後先を考えなさい」
「いやー、わたしって考えるの苦手だからさー」
「苦手だからさー、じゃなくてそれを克服するための授業でしょうがー!」
「でも、力押しも立派な戦術だと思わない!?」
「思う。それは正論だけど無策で突っ込むのは戦術っていいませーん!」
「実はすっごい考えてたよ!」
「自分の動きすら把握できてないように見えましたけど!」

 しかしユミルは相変わらず「あははー」と呑気に笑っている。その呑気さはユミルの長所であり、同時に短所でもある。
 どうやらお説教をしても実が結ばれることはなさそうなので、オレは大きなため息を吐いてユミルの頭を解放した。

 そして許してもらえると思って笑顔を咲かせるユミルに――無慈悲なひと言を告げる。

「じゃ、ユミル今日から補習な」
「あはは‥‥――はーーー!?」

 ガーン!と頭上に書き文字を浮かべ、ユミルの顔面が蒼白に染まる。ワナワナと震えながら、力を使い切ってプルプルしている脚を引きずって縋りついてきた。

「せ、先生、そんなの酷いよ! わたし頑張ったのに!」
「頑張ってねー! 頭使う努力をしなさい!」
「頭使う以外は、頑張ったのに!」
「よし、その努力を認めて補習では頭以外使わなくていいようにしてやる!」
「わーん、先生の鬼ー!」

 ぷんすこしているユミルを放って帰ろうとすると、1人の生徒がこちらに向かってくるのが見えた。その生徒は嬉々としながら目の前までやって来ると、ぐっと胸の前で握り拳を作った。

「師匠、お疲れ様です! 今から俺にも稽古をつけてください!」
「えっ、イヤだ」

 が、即答で拒否るオレに、目の前の生徒、セリムは姿勢そのままに硬直する。

「‥‥‥‥えっ、な、なんでですか、いいじゃないですか! まだ授業時間ですし!」
「だって、力ほとんど使っちゃったから、すっげー疲れてるし。今戦ったら負けちゃうかもしれないじゃないか!」
「い、いや、その‥‥悔しいですけど俺、まだまだ師匠には敵いません。だけど、ハンデがあってでも師匠に勝てたら、すっげー自信になると思うんです!」
「バカもん! オレが負けたらオレの自信が無くなるじゃないか! 生徒に負けるだなんて、そんなカッコ悪いことが出来るか!」
「えっ、でも‥‥」
「ヤダヤダ、先生ヤダ! もう帰る! 残りの時間は自習っ!」
「‥‥先生、その姿のほうがよっぽどカッコ悪いよ」

 ユミルに突っ込まれるも、オレは言を翻さない。人にはそれぞれ、譲れないものってのがあるのだ。

 だからオレは――ダッシュで逃げる!

「あっ、ちょ、師匠! って、うわ、めっちゃ速い‥‥! むちゃくちゃ元気じゃないですか!」
「ちょっと、せーんせーー! 補習ヤだよー!」

 今日も今日とて騒がしい一日。
 可愛い生徒たちに囲まれて、ぼくは今日もげんきです。

2.

 ある日の昼休み、食堂でのこと。

 昨日もユミルの補習をガッツリと行い、帰るころには随分ヘロヘロになっていた影響か今朝は珍しく消沈している様子だったが、多分メシの時間になれば途端に元気になっていることだろう。

 さて今日は何を食べよう。お腹減ったし、ガッツリいかせてもらおうかなー。
 とか思っていたその時。

「――――がーーーーーっ!」

 堂内に、元気になりすぎなユミルの叫び声が響いた。
 いやー、やっぱりご飯時のユミルは元気だなー。

 という冗談はさておき。

 いったい何事かと、声のしたほうへと歩を向けた。

「ジズ、あんた最低よ!」

 野次馬の生徒たちの頭越しに現場を覗き込むと、そこにはうずくまるユミルと、その背中に手を添えるアリサの姿があった。そしてアリサの鋭い視線の向かう先には、苦い表情を浮かべて半歩身を引いたジズの姿。

 ――まあ、流れは察した。

「はいはいちょっと通してもらえるかな」

 人混みをかき分け、現場へと侵入する。オレの姿を認めたジズは、「うげっ」とさらに口元を歪めていた。

「聞いてるのジズ! やって良いことと悪いことくらい考えなさいよ!」

 さらに鋭く責めるアリサに、ジズは視線だけで周囲を窺って――

「ここは逃げるが勝ちだぜ!」

 すぽーん!と突如凄まじい跳躍力を見せたかと思うと、人混みの中に姿をくらませてしまった。うーむ、さすが。逃げの動作に無駄がなさすぎる。
 今はジズのことは放っておいて、ひとまずユミルの下へ向かった。

「とりあえず状況を窺ってもいいかな」

 アリサがジズの去って行った方向を睨みつけながら歯噛みし、握り拳を固めて「酷すぎるわ!」と激昂しながら床を叩いた。おお、なんだかとってもお怒りのご様子だ。
 アリサが状況説明のために口を開こうとすると、ユミルが手の平でそれを制した。

「‥‥もういいよアリサちゃん、わたしが全部悪いんだから」
「誰が悪くてもいいから状況を教えなさい」
「ちょっと先生、もうちょっと気を遣いなさいよ!」

 うーん、話が進まないけど、まあ仕方ないよね。今回の騒動のキモだもんね。あんまり早く知っちゃったら展開が続かないもんね。

「まさかアイツ、こんなことまでするだなんて思っていなかったわ‥‥」
「いいんだよ、アリサちゃん。こんなことになったのも、わたしの注意力が足りなかったせいだから‥‥」
「ユミル‥‥あんな酷いことをされておきながら、あなたホントに優しい子ね‥‥よよよ」
「今のわたしには怒る元気も残ってないんだ‥‥ありがとね‥‥」
「あたしはいつだってユミルの味方よ。たとえあんなことをされたって、強く、生きて」

 どうしよう、すっごくバカっぽいので今すぐ背を向けて帰りたいんだが。だって原因がジズだもん。

「なあ、オレ帰っていいかな」
「ちょっと先生、もうちょっと気を遣いなさいよ!」

 ふりだしにもどる。

 だがしかし、原因が判明していない以上、教師としてはあまりなおざりにするわけにもいかないか。ジズの浅知恵でも、下手をすれば大事に発展していたであろう状況も今までなかったわけじゃない。
 とりあえずジズの処遇に関しては――。

「カモン、モニカ!」
「はい、ここに」

 顔を上げ、パチン!と指を鳴らすと、どこからともなく現れたモニカが背後でスチャリとメガネを構えた。

「悪いが、ジズをひっ捕らえてきてくれ。生徒会戦力を投入しても構わない」
「了解しました。エリカさん、クラリスさん、お願いします!」
「あっ、ちょ、ちょっと待ってください、私まだご飯‥‥」
「モニカ~、張り切りすぎちゃダメよ~」
「覚悟しなさい、ジズ・グラヴァー!」

 とりあえずこれで、遠からずヤツの確保は出来るだろう。ジズ捕獲率でモニカを上回る者はいない。ジズモニはいいゾ。

 さて、それでは自分は目下の問題らしきものをどうにかしなければ。
 視線を落とすと、相変わらずがっくしとうずくまるユミル。机を見るとユミルのであろうデカい丼が2つ、米粒1つ残さず完食されている。相変わらず気持ちのいい食べ方だ。

「ほら、アリサ。こっちは任せて教室戻りな。授業遅れるぞ」
「‥‥じゃあ任せるけど、いい加減な扱いするんじゃないわよ。今回ばかりはユミルの心の傷、すっごく深いんだから‥‥」

 アリサは少しだけ不満そうに唇を尖らせていたが、やがて諦めたようにため息を吐いてからこちらを睨み上げてきた。信頼されてるんだかされてないんだか。

「ほれユミル、立てる?」
「うん‥‥でも、あんまり動かない方がいいかも‥‥」
「あ、そういう系のアレ? んじゃ保健室行く?」
「うん、そうさせて欲しいかも‥‥」

 ユミル+保健室。なんと稀有な組み合わせだろう。なかなか見れるものじゃないぞ。口に出したらまたアリサに怒られそうだから言わないけど。

 とりあえずオレはユミルを担いで、保健室へと向かうのであった。

3.

 いっぽうそのころ。

「お、おい‥‥ちょっと待てよ‥‥。なんだよコレ。こんなのってあるかよ‥‥! これが人間のやることかよおおおぉ!」

 先生の期待通り、その後ジズはあっさりと生徒会の面々に捕らえられていた。シンとした室内に、ジズの叫び声がこだまする。

「わたしはセイレーンよ~」
「私も妖精族ですが‥‥」
「私も委員長です」
「ふざけんなこんな時だけワケの分かんねえボケかましてんじゃねえよ!」

 ジズの怒声にも、生徒会の3人は毅然とした態度を崩すことなく静かにジズを見下ろしていた。エリカだけはやや居心地が悪そうだが。

「な、なあ、頼むぜ‥‥。確かに俺様が悪かったのかもしれねえけど、いくらなんでもこんな仕打ち、あんまりだろ‥‥」

 が、モニカは静かに首を横に振る。

「ジズ・グラヴァー。あなたのしでかした罪が今回のことだけであれば、情状酌量の余地もあったかもしれません。しかし、あなたは罪を犯しすぎている」
「お、俺様がなにをしたってんだよ! 最近は大人しくしてたじゃねえか! もう2日くらい‥‥あ、いや、一昨日はイタズラしたけど、昨日は何も‥‥。そうだ、この俺様が1日もイタズラしてねえんだぞ! その、ジョーゾーなんとかってのがあっていいはずだろうがよ!」
「昨日も新しい落とし穴を見かけたのですが?」
「あれは俺様じゃねえ、レヴィアだ! 俺様があんなショボい落とし穴作るかよ! 俺様だったらもっとスッゲェの作ってるぜ!」

 モニカは2人と顔を見合わせて、小さく諦観の息を吐いた。

「どうやら、同情の余地はないようですね‥‥」
「あっ、待て、待ってくれ! 俺様が悪かった! 頼む、こんなの耐えられねえよ! このままじゃ俺様狂っちまう! 頼む、頼む、頼む頼む頼むぜ委員ちょおおおおおおお‥‥――!」

 ガシャアン‥‥、と重々しい音を立てて閉じた扉に遮られ、ジズの声が彼女らに届けられることはなくなった。

「あ、あの、本当にいいんでしょうか‥‥」

 エリカが自信なさげに呟くが、クラリスはいつもの笑顔を崩さないままエリカの頭を撫でる。

「大丈夫よ~。ちゃんと先生に許可もらってあるし~」
「というよりこの懲罰は先生に託されたものですので、気に病む心配はありません」

 モニカはどこか誇らしげですらある。執行完了、という状況にご満悦なのだろう。

「だけど、ジズくんってホントは素直でいい子だと思わない~?」
「どこがですか! あんな問題児!」

 思わず声を荒げるモニカにも、クラリスは相変わらずの微笑を浮かべたまま静かに説いた。

「だって本当に悪い子だったら、わたしたちに暴力を振るってでもこんな場所から逃げ出すんじゃない? それなのに大人しく閉じ込められてるってことは、根は優しくていい子なのよ~」
「それは‥‥」

 モニカは思わず言葉に詰まる。それは確かに、言い返すことができない事実だったから。

「モニカだって、ジズくんのそういうところがお気に入りなんでしょ~?」
「そんなワケがないでしょう!」

 さすがに言い返した。

「あらあら~、必死になっちゃって可愛いわ~」
「ちょ、クラリスさん、やめ、やめてっ‥‥」
「遠慮しないで~」
「あっ、いやっ、そんなっ‥‥」

 じゃれあう二人に呆れつつ、エリカは閉ざされたドアの上部を見上げた。

 そこには――「自習室」と書かれた小さなプレートが下げられていた。

 容疑者ジズ・グラヴァーは、今まで投げてきた全ての課題を終えない限り、この部屋から出ることは許されない――。

4.

「どーもー、調子はどうだいユミルさんよ」
「うーん、むにゃむにゃ、もう食べられないよ」
「わーお、とってもテンプレ」

 授業が終わって保健室に様子を見に来ると、当のユミルはなんとも気持ちよさそうに眠っていた。なんだよコレ、ただのサボりじゃねえか。

 その後も事情を聞こうと数名の生徒に話を聞いてみたのだが、結局詳しい事情はまだ分からない。
 アリサに聞けばすぐなのだが、どこに行っているのか姿を消してしまっていて、探しても見つからなかった。授業の前後に聞ければ良かったが、残念ながら今日の午後はオレの担当ではないのだ。

 ゆさゆさと揺すっても目を覚まさず、ぐいぐいと頬を指先で押し潰すとジャキィ!と鋭く歯が開閉し、危うく噛み千切られそうになった。
 仕方ない、奥の手を使う時が来たようだ。

「ユミルさんご飯の時間ですよー」
「えっ、ご飯!?」
「悟空かよ」

 その起床速度はまさしく、天下一武道会でジャッキー・チュンによいこ眠眠拳で眠らされた悟空がブルマのひと言で目覚めた時のような反応速度である。

「あ、先生おはよー」
「うん、おはよー‥‥じゃねえよ。なんでそんな安らかに眠ってんのさ」
「あ、エメリアちゃんも来てくれたんだ」
「やっほー。エメリアはせんせーの付き添いなんだゾ♪」

 職員室に戻ったら、オレの机に座って待っていたエメリアである。オレを見て嬉しそうにするエメリアは、可愛すぎて危うく心臓が止まって保健室送りになるところだった。

「で、調子はどう?」
「‥‥うん、やっぱりちょっとツラいかな」

 ユミルの表情は言葉通り、あまり浮かないように見える。

「つーか、そろそろ原因を教えてくれないか。正直どう反応していいのか分からん」
「‥‥うん、そうだね」

 ユミルは力なく頷いて、ようやく事のあらましについて――

「ユミル!」

 と、そこへ唐突に現れたのは、なにやらビニール袋を持ったアリサ。急いでやってきたようで、大きく肩を上下させながらしばらくその場で息を整える。
 やがてユミルの前までやってくると、ガサリとその袋を突き出した。

「え、どうしたの、アリサちゃん‥‥はっ、これは、この匂いは‥‥!」

 袋を受け取り、震える手でその中を覗き込む。手を差し入れ、中から取り出したのは――。

「――く、クロワッサンだーー! しかもこんなにたくさん! アリサちゃんコレどうしたの!?」

 ユミルが手にしているのは、食堂で売られているクロワッサンだった。アリサはドヤ顔で胸を反らし、ふんすと鼻を鳴らす。

「ふふ、こんな状況、あたしにはどうしても見過ごすことが出来なかったのよ。大丈夫、みんなが進んで協力してくれたから、気にしないで食べて」

 アリサはイケめいた笑みを浮かべて、ふぁさ、と髪をかきあげる。先生には当たりが厳しいくせに、クラスメイトには素直なアリサである。
 ユミルは素直にそれを受け取ると、ムシャア!と勢いよく食らいついた。どうやらお腹が空いていたらしい。

「実はさ、わたし昨日の補習で疲れちゃってたせいか、今朝はちょっと寝坊しちゃってね‥‥」

 少しお腹が落ち着いて、ようやくユミルによる説明パートが開始されたようだ。
 ガツガツとクロワッサンをむさぼりながら、ユミルが語る。この時点ですでに、だいぶイヤな予感がしていた。

「‥‥それで急いで準備したせいで、お金を千円しか持ってないことに気付いたんだ」
「なん‥‥だと‥‥!」

 しかし予想外のそんな言葉に、オレは驚愕の声を漏らした。

「――この世界の通貨って円だったのか」
「は? あんた何言ってんのよ」
「すまん、忘れてくれ。で、だからどうしたのさ」

 折った話の腰を自ら修復して、続きを促す。

「うん、それでね、お昼に気付いて困ったなーって思ってたらさ、ジズくんがやってきて‥‥」



 ――以下、回想

「よぅ、ユミル。どーしたんだよ。ンなさえねー顔してよー」

 食堂の中途半端な位置で立ち尽くしていたユミルに、偶然通りかかったジズが声を掛けた。
 ユミルは財布を手に沈鬱な表情で振り返り、力ない笑みを返して状況を説明した。

「いやー、実はかくかくしかじかでさ」
「へー、かくかくしかじかだって? そりゃー災難だったな、あっはっは!」
「ちょっと、笑いごとじゃないよ! 好きなだけご飯が食べられないんだよ!? これがどれだけ重大なことか、ジズくんは分からないの!?」
「お、おう、悪かったぜ‥‥」

 突如凄まじい勢いでユミルに詰め寄られ、さすがのジズも気圧され気味である。

 ――と、困惑顔だったジズが突如、ニヤァ‥‥といやらしい笑みを浮かべた。
 見る人が見ればイッパツで分かる、イタズラを思いついた瞬間の顔である。いやむしろ、ユミル以外の大抵の生徒は気づく。

「あのさユミル、すっげー耳より情報があるんだけど、聞きたいか?」
「えっ、なになに聞きたい!」

 しかし疑うことを知らない素直なユミルは、あっさりとジズの言葉に耳を貸してしまった。

「実はな、公開されてないだけで、今日って食堂のメニューが全品大盛り無料らしいぜ」
「ええっ、ホント!?」
「おお、まじマジ、大マジだぜ!」

 途端に目を輝かせるユミルを見て、ジズはにんまりと口元を歪めた。誰の目にも明らかな嘘だが、ユミルは疑わない。

「しかも2つ同時に頼めば、半額サービスまでやってるんだぜ!」
「ええーっ! それ、まるで今のわたしのためにあるようなサービスだね!」
「ああ、これはユミルに教えてやらねえとと思って、わざわざ食堂まで来てやったんだ!」
「本当!? ジズくんありがとう! これで安心して好きなだけ食べられるよ!」
「おう、良いってことよ!」

 嬉々として駆けだしたユミルを見送って、ジズは声もなく腹を抱えて大笑いしていた。

「‥‥っ! ‥‥っ! ‥‥いやー、ユミルのヤツ、見事に騙されてくれたな。これってもしかして、俺様には嘘を吐く才能があるってことかもしれねーな! よし、今度は先生の野郎を上手く騙して、課題をやらなくてもいいようにしてやるぜ! はっはっは!」

 一方ユミルはそれが嘘だなどと知るすべもなく、いつものように食堂のおばちゃんに元気いっぱいの明るい笑顔を振りまいていた。

「おばちゃん! わたし大盛りでよろしくっ! 大盛りの大盛りだよ!」
「あっはっは、ユミルちゃんは相変わらず豪快だねー。それだけ嬉しそうに食べてくれたら、おばちゃんも作り甲斐があるってもんだよ」
「うん、おばちゃんのご飯すっごく美味しいから、わたし大好きだよ!」
「いやー、嬉しいこと言ってくれるじゃないか。じゃあちょっぴりサービスしちゃおうか。他の子には内緒だからね」

 そう言いつつも声を潜めることもなく、ちょっぴり(当社比)のサービスで凄まじい標高に積み上げられたユミルの丼2つに、周囲の生徒たちの注目が集まる。羨ましいからマネしたい、という類の視線ではなさそうだが。
 そのまま会計に移ったユミルは千円を差し出し、おつりを受け取る。

 ――この時のユミルに、お釣りを確認し残金がいくらなのかを確認するという発想は無かった。

 上機嫌で特大盛のお盆を抱えたユミルは、食堂の一角で質素な昼食に寂しげな視線を向けているアリサを見かけた。

「やっほーアリサちゃん。一緒に食べよー」

 ユミルはアリサの隣にドグシャア!とお盆を置くと、アリサの質素な食事を見て目を丸くする。

「えー、アリサちゃんもっとたくさん食べなきゃ元気出ないよ」
「ええ、そんなの分かってるわよ。あたしだって食べられるなら食べたいわ‥‥。ユミルは、毎日そんなに食べててお財布は平気なの?」
「うん、わたしはご飯以外にお金使うことがほとんどないからねー」

 悲しそうな顔で小さなクロワッサンを見つめるアリサに、ユミルはそっと耳打ちした。

「アリサちゃん、いいこと教えてあげる。今日はね、大盛り無料サービスしてるんだって」
「えっウソ! ‥‥いやでも、そんな情報どこにも‥‥」

 ギラッ!と瞳を輝かせたアリサだったが、すぐに訝しげに眉をひそめる。

「実はわたし今日お財布忘れちゃって、鞄の中に千円しか入ってなかったんだ」
「‥‥‥‥‥‥ええ、そうよね。普通は千円〝しか〟よね。千円〝も〟あれば何が食べられるかしらって考えちゃってごめんなさい‥‥。うん、続けて?」

 急に瞳を暗くするアリサに首を傾げつつ、ユミルは嬉しそうに説明を続ける。

「それでさ、今日のご飯どうしようかと思って困ってたところにね、ジズくんがそうやって教えてくれたんだー」
「へえ、そうなの‥‥‥‥‥‥って、待ちなさい」

 頷いて、ガッ、とユミルの腕を掴む。その頃にはユミルの丼は9割近くの中身を消失させていた。

「ユミル、その情報は確か? いえ、どう考えてもおかしいでしょ。お釣りいくらもらった? ユミルあなた、ちょっと財布の中確認してみなさい」
「え? あー、ちゃんと見てないけど、食堂のご飯すごく安いし、多分半分くらいは残ってると思うんだけどなー」

 最後のひと口まで完食してから、ユミルは財布を取り出した。その軽さにわずかな疑問を覚えつつも、中を覗き込み――

 チャリ、と数枚の硬貨がぶつかり合い、小さな小さな音を奏でた。
 その音はあまりにもささやかで、中身を全て握りしめて買い物をしたところで、買えるのはせいぜいうまい棒が数本といったところだろう。

「‥‥‥‥え」

 ユミルは財布を覗き込んだままの姿勢でしばし硬直し、やがてブルブルと小刻みに震えながら、青い顔でアリサと目を合わせた。

「が、がががが。お、お金、がががが! わ、わ、わたしの、お金がーーーーっ!」

 ずしゃあ!とユミルの膝が床を打ち、尻を突き出すような姿勢でビターン!と頬が床を叩いた。
 突然の出来事に周囲の視線が集まるも、それを気にしている余裕は無い。

「ユミル! しっかりして!」
「ど、どど、どどどうしよう‥‥。これじゃ、もうご飯食べれない‥‥。放課後まで何も食べられないなんて、わたし、死んじゃうよ‥‥」
「大丈夫よユミル! あたしは1日何も食べなかったことだって何度もあるけど、死ななかったわ!」
「うう、でも、わたしアリサちゃんみたいに我慢強くないから‥‥」
「安心しなさい、お金がないならあたしに任せて! 校庭の隅に、食べられる草花があるから教えてあげる!」
「あーはっはっはっは! ユミルお前、リアクションさいこーすぎんだろー! あははは!」

 と、そこへ現れたのはユミルを絶望のどん底へと突き落とした張本人、ジズであった。
 勝ち誇った笑みを浮かべて鼻の穴をおっぴろげてユミルを見下ろし、腕を組んで哄笑をあげている。
 ユミルは反応を示すことすら出来ずへたり込み、アリサは鋭くジズを睨み上げた。

「ジズ、あんた‥‥、こんなことが許されると思ってるの!」

 アリサの気迫に、ジズは思わず半歩身を引いた。
 アリサの瞳には冥府を連想させるような暗い色をした炎が宿り、まるで親の仇を見るような眼でジズを睨みつけていた。

 食べることは、生きること。産みの親が両親であれば、育ての親は今日まで食べてきたご飯なのだ。
 アリサの目には、ジズは実際にユミルの親をその手で奪った大罪人のように映っているのである。

「ご飯が食べられないことがどれだけ苦しくてツラいことか‥‥あなたには分からないでしょうねえ!」
「ンアッハッハッハッハーーー!」

 アリサの叫びに合わせて、ユミルが言葉にならない叫びと共に号泣する。

「な、なんだよ、別にそこまで言われるほどのことじゃねえだろ‥‥」

 反省の色が見られないジズを、アリサはギリっと歯を食いしばってさらに鋭く睨みつける。

「あんたに、食事の大切さを思い知らせてやりたいわ‥‥!」
「へっ、この最強の俺様がメシに困るなんて情けねえことになるかよ」
「くっ、食に対する侮辱‥‥――ジズ、あんた最低よ!」

――回想終。


「‥‥って感じだったんだ」
「くぅ、思い出しただけでまた怒りが湧いてきたわ‥‥」
「‥‥うん、まあそんな気はしてた」

 言ったら怒られそうだから言わないけど、正直ちょーしょーもない。

「え~、なんかどうでも良くない?」

 と思ったらエメリアが言ってしまった。おっと、これはお仕置き案件だな。やったぜ、合法的にアレコレできるぞ。

「良くないわよ! エメリアあなた、食を奪われる恐ろしさを知らないからそんなこと言えるのよ! 想像して見なさい、暖炉にくべる薪もなく、閑散とした寒い部屋の中で、小さな毛布にくるまって寒さに震えながらパンの欠片を何度も何度も噛んで出来るだけ食事の時間を長引かせようと努力する状況を‥‥」
「エメリアよく分かんない‥‥」

 突如熱がこもったと思うと、言葉通りぶるりと身を震わせながら感情豊かに語り始めるアリサ。
 しかしスゴイな、言葉だけで本当に暗い部屋で震えるアリサが見えてくるようだ。無性にアリサにご飯を食べさせてあげたくなってきたぞ。

「あ、アリサちゃんも一緒に食べよ?」
「いいえ、気にしないで。それはユミルの為に持って来たんだから」

 同じく苦笑のユミルが差し出すも、アリサは毅然とした態度でそれを断った。視線だけは、逃れようもなくクロワッサンに張り付いているけれど。

「むー、なんでエメリア怒られたの‥‥」
「まあ、今回はエメリアが悪い。謝っときな」
「‥‥うん、せんせーが言うなら、謝る。アリサ、ごめんね」
「阿゛阿゛阿゛阿゛阿゛阿゛、か、か、か、kawaiiぃぃぃーー! んあああああ!」
「ふざけてるんじゃないわよ!」
「えー、なんで先生怒られたの‥‥」

 理不尽だ。感じたことそのままを表現したにすぎないのに。

 早くもクロワッサンを完食して満足そうに息を吐くユミルの顔は、すっかりいつもの快活さを取り戻していた。

「いやー、心配かけちゃってごめんね先生」
「大して心配してないから安心していい」

 アリサが気に入らなそうな視線を向けてくるが、ユミルの笑顔に毒気を抜かれたように険を解いた。

 ユミルも満足そうだし、アリサも納得したようだし。
「それじゃ、これにて一件落着ってことでいいかな」
「そうね‥‥‥‥いえ、まだよ!」

 一瞬だけ笑顔を浮かべたアリサは、しかしすぐに表情を引き締める。

 目前に控えたエンディングにたどり着くまで、あと一歩――。

5.

「ジズ・グラヴァー、どうですか課題の進捗は」
 
 モニカが自習室に入ると、そこには机に突っ伏したジズの姿が。居眠り、ではなく、精根尽き果てている様子である。

「委員長‥‥俺様の骨は海の見える綺麗な丘に埋めてくれよな‥‥」

 生気の失せた瞳で微笑むジズに、モニカは呆れた息を吐きながら隣の席に腰かけた。

「実はですね、先生から恩赦を頂いています」
「なんだよオンシャって‥‥これ以上俺様に何をするつもりなんだ‥‥」

 彼にとっては聞き慣れない言葉に、ジズは露骨な警戒を見せる。

「‥‥はあ、本当にどうしようもありませんね。要するに、先生のご厚意であなたの罪を軽くしてあげると言っているのです」

 モニカの言葉に、突如ジズの目がキラリと輝いた。先ほどまで参考書に埋もれて死んだ魚の目をしていた人物とは別人のようだ。

「ま、マジかよありがてえ! いやー、いい加減メチャクチャ腹減っちまって食堂が恋しくなってきたたんだよな。さすが俺様日頃の行いのおかげ――」

 勢いよく飛び出そうとしたジズの目の前に、モニカの手にした鋭い銀色の切っ先が突きつけられた。ジズはこめかみから冷や汗を滴らせながら、青い顔でモニカを見る。

「い、いいんちょ‥‥? ふ、ふざけんなよ死ぬとこだったじゃねえか!」
「いいえ安心してください。殺しはしません」
「つーか、止めんじゃねえよ! 出してくれるって言ったじゃねえか!」
「誰が出すと言いましたか。罪を軽くする、と言ったのです」
「ワケわかんねーし、何が違うんだよ! もっと分かりやすく言いやがれ!」

 モニカの手にした、キラリと電灯の光を反射するそれは――教鞭。
 左手でメガネをクイッと直し、右手で振るう教鞭がパシィ!と空気を裂いた。ジズの鼻先程度なら余裕で吹っ飛びそうな鋭さである。

「な、なんだよ委員長‥‥。そんな先生みたいな格好してよ‥‥」
「あなたにしては珍しく、察しがいいですね。そうです、あなた1人では永遠に終わらないと判断したので、私が勉強を教えてあげる、と言っているのです」

 ほんの一瞬だけ、ジズの顔に歓喜の色が浮かぶ。「答え教えてくれるなら余裕じゃねーか!」と。
 しかしジズは知っている。この女生徒が、そんなに甘さを持ってなどいないことを。

 知っている。それはもう、身をもって――。

「さあ、ジズ・グラヴァー。補習の時間です」

 じりじりと迫るモニカ。ジズは後退り、しかし勉強をする空間である自習室は狭く、あっという間に背が椅子に触れた。ジズにはそれが、魔の拘束具にしか見えなかった。

「ま、待て待て待ってくれ! だから俺様、腹が減ったって言ってるじゃねえか! とりあえずメシを食わせてくれよ!」
「安心しなさい。宿題1つ終わらせるごとにクロワッサンを1つ食べさせてあげましょう」
「ふ、ふざけんじゃねえよ! そんなチンケなメシで俺様の立派な胃袋が満足するわけねえだろ! しかも宿題1つって、全然割に合わねえじゃねえか!」
「もちろん後で食事代も徴収します」
「天才の俺様は知ってるぞ‥‥! こういうのを、踏んだり蹴ったりっていうんだ!」
「そして、自業自得とも言うのです。覚えておくといいでしょう」
「ひいっ‥‥!」

 さらに迫るモニカに、ジズにはそれ以上後退る余地は残されていなかった。
 光を反射するメガネの奥に宿る使命感という名の炎は、ジズには地獄の業火のように感じられた。

「お、俺様が悪かった! もう、許してくれーーーー!」
「何度聞いたセリフですか! 早く席について教科書を開きなさいジズ・グラヴァー!」
「い、い、イヤだーーーーー! た、助けてくれーーーーー!」



 自習室に悲痛な叫び声が響き、ユミルたちはそんな惨劇とは無縁に、幸せな夕餉にありついていましたとさ。

 おしまい。

ユミルさん

読了ありがとうございました
とりあえず、タイトル適当すぎてすいません(^^;
もう何でもいいやって思って、仮でつけてたファイル名そのまんま使わせてもらいました。一応ユミル主人公ということで‥‥w

次はセリアリを書こうと思っていたのですが、思いの外脳内でセリムが動いてくれず、断念してしまいました‥‥
その名残として、冒頭でちょっとだけ出演してもらってます

それに比べてユミルは活き活きと動いてくれるので、すいすい書けて楽しかったです
セリムをディスってるワケじゃなく、推しではなかったというだけでなのでゴメンナサイ~(><)

ただ、ジズは騒動を起こす素材として最強だと思いました(˘ω˘)
ジズモニは書いてて楽しい(*'ω'*)

そしてひとつ、書きながらとても重大なことに気が付いてしまいました‥‥

今回のお話――先生いらなくね? ということにw

前作2つからの流れで当然のように出てきちゃいましたが、今回は別に生徒だけでわちゃわちゃしてるだけで良かったんじゃね?と書いてる途中に気付きました(^^;
まあせっかくの妄想の場なので、これはこれでいいかなと思わなくもないですがw
だってエメリアといちゃいちゃしたいですし。おすし。

ペースはかなり遅いかもしれませんが、また書きたい欲はあるので次も投稿出来たらなーと思っております。その際はぜひぜひ、読んでいただけると嬉しいです
ひとことだけでも全然かまいませんので、感想など頂けると嬉しいです~

ユミルさん

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • アクション
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-17

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二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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