気分だけ歩いてきた

気分だけ歩いてきた


  



 



   



   



   


  
  


 
寂しい

本棚にもいなかった

書きたくて思い出せないひと




眼を擦り

唇 なぞる

この身体が愛撫されたあの街 時間




ひとを選んだが

選ばれなかったかも知れない

折り挟んだ四月




息を引き取っていたノート 書き留めた詩

走り書きは優しかった




かかとの擦り切れた音楽

躓く舗石を 

別離ばかり歩いた




途惑わず歩いたかい?

遠くから遺失物が聞こえてくる写真




気分だけ歩いてきた

確かさはなかった

午睡の後は やさしい

  



 



   



   



   


  
  


 

気分だけ歩いてきた

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気分だけ歩いてきた

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-16

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