ここで
いないことよりも
見つからないことが
うつろな珈琲の
午後一時
氷の溶解
このいのちがあっても
哀しみがなければ無意味だった
寂しさがない時の方が虚しく 寂しくなりたかった いまはまだ悲しみたい まだ悲しみたい とめどもなく泣きたい 毎日泣いていられるなら 唐突に浸る眼は 哀しみも寂しさもないかのように あまりに閑散と唐突だった わたしがいないように わたしの現実がある それが貫く ひとからのそれは貫く 貫く独りが いつも突如 夏の焦熱のなかにひとが止まる 日々がなかったことのように 温度が変えてしまう まだここではない まだいまではない おまえはそんなものじゃない 遅く漫然とした午後を悉く突き破りたかった
ここで
夏に書いた。
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