白は純白色、全ての出発する色、 17 一欠片の幸

トライしなければ何も始まらない! チャレンジ精神旺盛な資質に富ん

アンディ、美味しい?たくさん食べな! ねえ!あの時、なんで自分から手を出さなかったの?せっかくの好意を無駄にして・・・と思ったけど作戦成功したね。さすがママの子って思っちゃった」

母はアンディの弟トーマスの食べ散らかしを片づけながら、隣に座るアンディはというと、先程の行動を改めて母から誉め貰ったことに、流石に照れ照れ顔面色へと。 

「ぼくの手よりもおじさんの手の方が5倍も10倍も大きいでしょ。だから!」
云い終わらないうちに、またまた種を、ピュッ、ピュッ、と皿に飛ばした。すでに種がV字型となって皿の上に、これまたアンディの思い通りに、形よく散らばっていた。

「アッハハハハハハ」
突然、父が、自ら日曜大工で作ったお粗末ではあるが愛着心みえみえなテーブルの傍に着き、満面笑みを浮かべ、大口を開け笑いだした。
テーブル上にあった飲みかけのティーカップもあわせて軽やかに揺れた。

「ヘッヘッヘ、イエイ!イエーィィ!」
Vサイン片手にアンディも同調して得意気に笑い舞う顔に。

もっと嬉しかったことは、父の笑う姿を見たことだった。
嬉しかった理由には二つあった。

アンディ自身の手でサクランボをつかむより、店主の数倍多くつかめる手で取って貰うという目論み、この作戦が成功したアンディの行為を父が褒めてくれた、認めてくれた、大笑い顔が嬉しかったのです。
もう一つは、日頃笑いの少ない父だけにその父が笑うと、家族全員が、みなの気持ちが、大いに和むからでもあった。

父は、家族のために日々、朝早くから夜遅くまで糸屑と汚れとで汗まみれになって、顔はふだん普通に厳しく、口元から笑いの出ることは稀だった。
終日働き詰めな姿は痛かった。遊んでるを見たことも聞いたこともなかった。
家族のために苦労してる、犠牲になってる、可哀想だ、などと気の毒がる気持ちでいっぱいだったのだ。
それだけに、父の笑顔を見ることはアンディにとっては、格別に和むところだった。

何事も、何でもかんでもが、計算通りにいくとは限らない。
テスト満点はユメのまた夢が大概・恋愛ターゲット100パー落札成功は妄想界だけの話・宝くじン億円が当たるのも生涯一度も無い。
しかし、トライしなければ何も始まらない!

このさくらんぼ事件を契機に日頃よりチャレンジ精神旺盛な資質に富んでいたアンディであったが、ガチ、チャンスは自らが招くもの! と再認識をした、商いテクにも気付かされることであった。
と云うよりサプライズは、このように俊敏にして計算高いアンディ自身の素質に負う所は大きいが、ビジネス的素養、環境によって培われ学んだ知見、は後年、とんでもない史上No.ONEのアメリカンドリームを呼び込むことに繋がっていく。

ヒエェー!9歳―っ!?おれ、出来たかなーぁ?そのとき

小三くらいでしょ。うち、出来た。カッコいいの見破ったもん、クラスに居た子で頭めっちょ良かった。もっと聴きたーい?

うっせえw

あ、妬いてる、かわっぃーw(チラッ見

・・・・・・・・・・・(〃∇〃) 。。。。

白は純白色、全ての出発する色、 17 一欠片の幸

白は純白色、全ての出発する色、 17 一欠片の幸

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-13

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