100回目のリセット

彼氏、裕真を彼女、加奈が助けます!
加奈が見つけたサイトの影響で何回も過去に行きます。

1回目のデートと1回目のさよなら

突然ですが私、桜加奈は今日、彼氏の差様裕真と初デートをします。
嬉しくて、いつもより服にも気合を入れました。
ヒラヒラのスカートに透けてしまいそうなくらい真っ白なカーディガン、そして高めなヒール。
もちろん、ヘアスタイルにも気合を入れました。
ゆるふわカーブに少し隠れる場所にお団子を作りました。
そしてメイクにも気合を入れました。
濃すぎないアイシャドウに薄ピンクのチーク、真っ赤なリップ。
支度が出来ると待ち合わせの公園に向かいました。
すると、裕真が待っていて、私を見つけると、いつもの笑顔で手を振ってくれました。
私は駆け足で裕真の方へ向かいました。
「ごめんね。待った?」
「ううん、大丈夫。俺も今来たところだし。じゃあ行こうか。」
裕真が手を差し出してくれた。
私はそっと、その手を握った。
スイーツを食べたり、服をみたり、映画で泣いたり、楽しい時間はあっという間に過ぎました。
「すごい楽しい!あっ、あそこのお店可愛い!裕真!あそこ行こうよ!」
私は楽しすぎてはしゃいでいてしまった。
「加奈、危ない!」
「え?」
ガシャ
「きゃーー、男の子が看板の下敷きになってる!」
「だ、誰か救急車を!」
私は呆然とその光景を見る事しか出来なかった。
私がはしゃいでる時に看板が落ちて裕真がかばった…私って馬鹿だ。
はしゃぎすぎて裕真をこんな目に合わせて…
ピーポーパーポー
救急車が到着した。
そして、病院に着いた時廊下の椅子で泣きながらぽつんと一人で座っていると、裕真のご両親がやって来た。
「加奈ちゃん!裕真は!?」
「あ、今手術室で…」
「そう…」
「あ、あの、ごめんなさい!私がはしゃぎすぎちゃって!本当にごめんなさい!」
私は頭を下げた。
「加奈ちゃん…頭を上げて…誰がどうなるかなんて誰にも分からないんだから。」
「そうだよ。大丈夫だ裕真は。だってあいつは強い。それは加奈ちゃんも知ってるだろ?」
「はい…」
私はゆっくり頭を上げた。
「あれ?そういえば、加奈ちゃん、お母さんとお父さんは?」
「こら!加奈ちゃんはご両親がいないのよ!ごめんね加奈ちゃん、この人こういうところがあるのよ。」
「あっ、そっかごめんね加奈ちゃん。」
「あ、大丈夫です。」
そう、私の両親は私が5歳の頃、事故で亡くなった。
だから、もう、大切な人を失うのは嫌だ。

見つけたサイトと2回目のさよなら

裕真はその後亡くなった。
後日私はお葬式を終わらせ、家でパソコンを見ていると、ある、サイトを見つけた。
「えーと…死んだ人間を助ける方法!?」
私はそのサイトを読み進めた。
「まず、寝る時に亡くなった方がなんで亡くなったのかを考える。そして『死ぬ』と『生き返る』という言葉を交互に頭の中で繰り返す。最後未来から過去に、過去から未来へと呟くと、亡くなった方を助けられる。…これ、いいかも。ん?まだある。注意、あなたが過去に行きます。過去に行って助ける方法です。…え!」
私は少し考えた。
そして降した決断は…
「裕真を助けに行く!」
私は夜、サイトに書いてあった事を試した。
そして起きると…いつもの朝だ。
すると、ふと、時計がたまたま見えた。
すると…戻ってる!?
デートに行った日は7月27日。
そして日付け付き時計の日付けも7月27日。
「早く準備を!」
準備をして公園に行くと裕真がいた。
私は思わず裕真に飛び付いた。
「加奈、どうしたの?」
そう言いながら裕真は抱きしめてくれた。
「ううん、なんでもない、なんとなく抱きしめて欲しかっただけだから。」
再び楽しい時間はあっという間に過ぎた。
あとは看板を避けるだけ。
ガシャ
私はタイミングを見て、裕真を後ろにグッと引っ張った。
二人とも尻餅をついたけど、無事!
「か、加奈。…ありがとう。大丈夫?」
「うん!大丈夫!裕真を守れて良かったー!」
「次、どこ行く?」
「うーんと…遊園地!近くにあるでしょ!」
「そうだね。行こっか。」
「観覧車乗ろうよ!」
「まぁさっきより空いてるしね。」
私達の順番が来た。
私達が一番上に来た時、景色が綺麗と私が言ったから、裕真がドア寄りになる。すると、ガチャとドアが開いた。
そして裕真が落ちた。
鍵の閉め忘れだったらしい。
何で?
私達に幸せは訪れないの?
私はもう1回あの方法を試した。

永遠に続き99回目のさよなら

あれから何回も裕真を助ける事に失敗した。
もう98回失敗している。
「もう嫌だ」
でも…裕真を助けなくちゃいけない。
また、デートへ行った。
そして看板が落ちてきた。
「加奈!危ない!」
久しぶりに聞いた言葉を聞きながら、私は裕真の手を避けた。
ガシャ
「きゃーー男の子と女の子が!」
「救急車だー!」
ピッピッピッピッ
目を開けるとそこは病室だった。
私は勢いよく起きた。
「ひ、裕真は!?」
「加奈ちゃん、裕真は、30分前、亡くなったわ」
「う、嘘…うわぁぁぁ!」
私はずっとずっと泣き続けた。
そしてその夜、病院のベットであの方法を試した。

最後の100回目のさよならとメッセージ

どうすれば裕真を助けられる?
前は二人で看板の下敷きになって、私だけ助かった。
じゃあ次は私だけ下敷きになればいいの?
それだ!前、私が下敷きになったら助かった。
なら、私は大丈夫!
支度をして、すぐ公園に向かった。
もうすぐ、看板の場所。
よし!
「加奈!危ない!」
「駄目!」
私は裕真を押し出した。
ガシャ
ピッピッピッピッ
目覚めたのは病室。
やっ、やったー!
裕真を助けれた!
「加奈!」
「裕真!」
みんなで喜びあって。
皆が帰った。
寝る前にスマホをいじっていると一つのメッセージが届いた。
【加奈、元気?お母さんとお父さんは元気よ。加奈ったらすごく成長したのね。実はあのサイト、お母さんとお父さんが作ったのよ。加奈の力になれてたら良いわ。これから、どんな事があるか分からない。だけど、お母さんとお父さんは見守っているから、強く生きてね。】
私の目から涙がこぼれた。

―END―

100回目のリセット

100回目のリセット

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-10

Copyrighted
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  1. 1回目のデートと1回目のさよなら
  2. 見つけたサイトと2回目のさよなら
  3. 永遠に続き99回目のさよなら
  4. 最後の100回目のさよならとメッセージ