地球の傲慢


地球よりわかりやすい個体の私たちが

地球が、出来る確率より
単純な私たちが

どうして誰とも繋がれないのだろう

生まれながらに
私たちは地球に敗北している

混ざって、ぐちゃぐちゃになりながら、なんで、こんなにちゃんとしたところができるの?

なんで、私たち、文明なんか築いちゃってるの?

偶然、ビックバンがあってさ、とか、そういうこと、言うならさ、生まれた時から、自分の星に負けているって、認めてるようなものじゃないか

りんご齧って、「死ね」を覚えたのも、負け惜しみなんでしょ?

ひとりぼっちのオフィスで、ナイフとフォークで書類を切り刻む

狂ってしまうだけの夜が、何度あっても、私は狂うなんて出来ないまま、日中は、ニコニコ受領書にサインして、いろんな人に優しくして生きてるんだよ、後ろにたくさん薬の殻が落ちてることを誰も知らないんだ

みんなの思念が私に入り込んでくるのに、私の思念は誰にも通じないから、みんな、いなくたっていいよって言ってあげたい

地球はちゃんと自転して公転して、キレイな衛星までつけて、ちゃんとちゃんと、偶然出来たくせに、最初からちゃんとしてるから、私は地球を大事になんてしてやるもんかって、地面を睨みつけて歩いたり、涙を落として惨めな私で笑わせる、地球の底意地の悪さを、狡猾さを、いつか見つけてやろうって考えている

今日も笑顔で頷いたら、私の死体がたくさん出来上がっていた

仕方ないよね、生まれた時から負けてるのが、私、みたいだから

愛なんてもの、教えようとしないでね

あなたは、ただ、そこにあっただけで、ちゃんとできるようになったみたいだけど、

私は、何にもできないまま、ちゃんとできないで生きてるの

地球の傲慢

地球の傲慢

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-03

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted