地球の傲慢
地球よりわかりやすい個体の私たちが
地球が、出来る確率より
単純な私たちが
どうして誰とも繋がれないのだろう
生まれながらに
私たちは地球に敗北している
混ざって、ぐちゃぐちゃになりながら、なんで、こんなにちゃんとしたところができるの?
なんで、私たち、文明なんか築いちゃってるの?
偶然、ビックバンがあってさ、とか、そういうこと、言うならさ、生まれた時から、自分の星に負けているって、認めてるようなものじゃないか
りんご齧って、「死ね」を覚えたのも、負け惜しみなんでしょ?
ひとりぼっちのオフィスで、ナイフとフォークで書類を切り刻む
狂ってしまうだけの夜が、何度あっても、私は狂うなんて出来ないまま、日中は、ニコニコ受領書にサインして、いろんな人に優しくして生きてるんだよ、後ろにたくさん薬の殻が落ちてることを誰も知らないんだ
みんなの思念が私に入り込んでくるのに、私の思念は誰にも通じないから、みんな、いなくたっていいよって言ってあげたい
地球はちゃんと自転して公転して、キレイな衛星までつけて、ちゃんとちゃんと、偶然出来たくせに、最初からちゃんとしてるから、私は地球を大事になんてしてやるもんかって、地面を睨みつけて歩いたり、涙を落として惨めな私で笑わせる、地球の底意地の悪さを、狡猾さを、いつか見つけてやろうって考えている
今日も笑顔で頷いたら、私の死体がたくさん出来上がっていた
仕方ないよね、生まれた時から負けてるのが、私、みたいだから
愛なんてもの、教えようとしないでね
あなたは、ただ、そこにあっただけで、ちゃんとできるようになったみたいだけど、
私は、何にもできないまま、ちゃんとできないで生きてるの
地球の傲慢