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空想していたら2時間過ぎていた。終電が無い。手続きミスでまた審査に落ちた。

赤い顔した鬼の仮面を剥がしたら、クリスマスの装飾がなされていた。

飼い犬が突然道端で倒れたかと思うと、液体化して下水道に流れていった。
マンホールの穴を覗き込んだら醤油が陳列されていた。地底人の暮らしも大豆が支持を得ていると知る。

お店の天井から電球が30個ほど吊り下げられている。じりじりと光る。フォークが見当たらないのだ。

電車から出てきた女性4人が同じコーディネートをしていた。おや?顔もお揃いだ。
私は目を擦ってもう一度彼女たちを見つめる。すると4人は1つに合体していた。

子どもたちが弾く鍵盤ハーモニカ。音程が不安定の交響曲第五番「運命」が墓場に響く。

愛してるよと言葉にするたび、私が死んでいく。

近所のスーパーに行く装いで戦場に旅立った。人生3周目のおばさんが扱うオタマ。

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-12-02

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