『恋人じゃないぜ条約』プロローグ

アタシが吹奏楽部に入ってる訳知ってる??

今のアイツに言ったって、届く気がしないから

ただ、胸に留めておく

ただ、それだけ

「終わったみたい」

呟いてみた。

フェンス越しにアイツが見える。
今日は練習がよっぽどハードだったのだろう。
アイツを含め、体力が自慢のテニス部員達の顔には
汗と苦痛が張り付いていた。

フとした瞬間に、潮を帯びた海色の風がアイツの髪の毛を浚う。優しい茶色をした、アイツの髪を。
と、同時に、顔に張り付いていたハズの汗と苦痛をも浚ってゆく。

そんな些細な変化が、微笑ましくて。愛しくて。
…切ない。

アタシは、手を伸ばす。
変わってしまったアイツに、戻ってきてと想いを馳せて。

フェンスにだけでは無いであろう

"何か"に邪魔されて、届かないと

知っていながら。    

『恋人じゃないぜ条約』プロローグ

本編??がもう直ぐ出来上がる、
『恋人じゃないぜ条約』のプロローグ。

…はい、題名どぉりでございます。

うーん、全体的に自己満足で終わらないかが心配です…笑

そうならないように、何とかします。
 

『恋人じゃないぜ条約』プロローグ

もし、このフェンスが無かったら 例えば、変わってしまったアイツを 本来のアイツに、連れ戻せるのに 一緒に、笑い合えるのに 約束なんて、いらないのに…

  • 小説
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  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-09-02

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