『恋人じゃないぜ条約』プロローグ
アタシが吹奏楽部に入ってる訳知ってる??
今のアイツに言ったって、届く気がしないから
ただ、胸に留めておく
ただ、それだけ
「終わったみたい」
呟いてみた。
フェンス越しにアイツが見える。
今日は練習がよっぽどハードだったのだろう。
アイツを含め、体力が自慢のテニス部員達の顔には
汗と苦痛が張り付いていた。
フとした瞬間に、潮を帯びた海色の風がアイツの髪の毛を浚う。優しい茶色をした、アイツの髪を。
と、同時に、顔に張り付いていたハズの汗と苦痛をも浚ってゆく。
そんな些細な変化が、微笑ましくて。愛しくて。
…切ない。
アタシは、手を伸ばす。
変わってしまったアイツに、戻ってきてと想いを馳せて。
フェンスにだけでは無いであろう
"何か"に邪魔されて、届かないと
知っていながら。
『恋人じゃないぜ条約』プロローグ
本編??がもう直ぐ出来上がる、
『恋人じゃないぜ条約』のプロローグ。
…はい、題名どぉりでございます。
うーん、全体的に自己満足で終わらないかが心配です…笑
そうならないように、何とかします。