輪廻・転生・まぼろし
地上から占星術を消されたら
明日から、時間が空いてしまうね
君の星座はどこだろう
私の星座はどこだろう
そうだ、
カードを切ってみようよ
この中から、きっと君と私の
運命が決まっていくんだ
君はきっといいカードを引けるよ
引けなかったら違うことをして、
占おうね
君にとって素晴らしい未来を、きちんと、しっかり、予言してあげるからね、ちゃんと、してるから、大丈夫
君は、占いなんて信じてないね
君は、守護霊なんて信じてないね
君は、神様なんて信じてないね
君は、とっても、強いんだね、
私は、散らばったカードで、何かを見てみたいんだ
数えるのも、見送るのも、厭になるぐらいの星たちに、何かを見てみたいんだ、
神様がいるなら、君とずっといることを、叶えてもらいたいんだ、
でも、君はきっと、私のことも神様のことも、必要なくて、強くて孤独で丈夫な心で、こんなに寒くて乾燥した世界を、どこまでも、どこまでも、歩いていくんだね
きっと、それが、私の予言だよ
ここからは、全部、私の願い事だよ、
君の厚い唇が私の呼吸を止めて
君の大きな手が私の心臓を握って
君の身体に縋って、私は何度も、命を落とすんだ、目が覚めても君に心臓を握られて、私は君の身体に縋り付いて、頬擦りして、命を落とすんだ、
やっと、あったかいって思えて、
やっと、湿度を感じて、
「だいすき、だいすき」を繰り返して、そのうち、うわ言みたいに陳腐な台詞吐いて、
でも、そんな陳腐な台詞、空虚な言葉より、君の名前を呼ぶ方が多くなって、
何度も何度も君の名前を呼んで、私の身体は絶命を繰り返しながら満たされていって、
すっかり君と同化した頃には、私の中には今まで感じたことのない感情、感覚、言葉が満ちて、
何百年も経った頃には、君との境界線が無くなったことを漸く理解できて、最後の予言が4行詩で綴られるんだ
君と、こういうこと、話すのって、
一体、何巡目の出来事なんだろうね
輪廻・転生・まぼろし