内線の詩
内線の詩
電話に吹き込む
ダイイング・メッセージ
私の身体は破裂する
薬も効かないそんな朝に
SOS講座を受けようか
メールを打つ手が乱れてる
義務教育で習わなかった
人にどう助けを求めるの?
助け合い、支え合いを教えても
助けてもらう方法は、
支えてもらう方法は、
誰も教えてくれなかった
沈黙して発狂する私のこと、
それなら、私が悪くなってしまう
そうだよね、だって私、全部、
人のせいに、して、生きてるんだもの
被害者意識と被害妄想と自意識、プライド、自己犠牲、全部がごちゃまぜになって、いつ、窒息するのか、砂時計を眺めている
誰もいない廊下で
大きな道路を行き来する車を
黙ってみていた
飛び込む意思も
飛び降りる意思も
持たなかった
結論は、生きる、他、ないって
いつも決めていた
体を巡る痛みの果てに
何も無かったとしても、
私は、生きる他なかった
カウンセリング・ルーム
お昼休みを利用して
私は逃亡を図る
誰とも一緒にいたくなかった
誰とも会話をしたくなかった
死んでしまいたがる私を連れて
小さなお店に入り込む
安くないランチを食べる
コーヒーを飲む
ラジオから流れる音楽が少しでも私の神経を休めてくれればよかった
死んでしまいたがる私は
死んでしまわない私に
連れて行かれる
いつか、パフェを食べさせてあげるから、
いつか、みたい景色を見せてあげるから、
いつか、欲しい体温に近付いてみせるから、
少しだけ、少しだけ、頑張らなくていいから、生きよう、心臓マッサージみたいな音を聞いて
癒されない御託にうんざりしながら
みんなのこと大嫌いでも、
それでもいいよ、
生きたくなくてもいいよ、
アイスコーヒーを飲もう
少しだけ、スッキリするよ
今日を、生き抜くんだ、
私は、悪くないんだよ
声を殺す、私は、悪くないんだよ
苛立つ、私は、悪くないんだよ、
内線の詩