傷燥

あの日見れなかった残像は
今になってまざまざと目に映り続ける
あの時約束した僕の未来は
今と照らし合わせたら分かる 果たせなかった

子供がまた夢を見る 大人がまた目を覚まさせる
環境が違えど繰り返される分かりきった運命
子供がまた他人を虐める 大人もまた人を虐める
歳は違えどやることは同じ下らない人間

行動に移さず開き直ることで得た褒美は
言葉が一人前になって客観視出来ること
行動に移さず開き直ることで得た代償は
何も出来ないのに何かしてる人を見下す
世界では存在してる価値の無い役立たずの自分

あの空を美しいと言えた僕は
今にも増して純粋だったのかも知れない
あの頃を懐かしいと思った僕は
今 二度と戻れない列車に乗ろうとしているんだ

子供が出来たとして 大人として教えるとして
知識じゃない僕が知らない道徳的な何かを
子供に問われたとして 僕として答えるとして
正解じゃない間違いを言ったとしても当然

幸せになろうと孤独から走って逃げた奴は
本当の幸せに一生気付くことが出来ない
幸せになろうと心掛けて生きていると
何気ない普段の言動から何か意味を見出せる
世界を創ることの容易さ 壊すことの難しさ

あの花を踏み潰してきた君は
今 生き急いでどこへ消えていく
あの夜風に靡かれ煙草を吹かした君は
今もどこかできっと他愛も無い話をしているんだ

傷燥

傷燥

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-20

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