さいわい


「幸いから見放されたなんて」
「不幸だなんて泣かないで」

「幸いは何処にでもあるのさ」
「君が幸いと不幸を知覚できる人間ならば」

「貧しさや不遇のなかにいる人が」
「幸せじゃないなんて僕は思わない」

「富があって恵まれた人たちが」
「全て幸せだなんて僕は思わない」

「何故ならほんとうのさいわいとは」
「当たり前にあるものだから」
「すべからく全ての生物に与えられるから」

「お日様の光が暖かいこと」
「耳をすませば美しいさえずりが聞こえること」
「花の色が美しいこと」
「闇夜に星と月が輝くこと」
「これらはみんなさいわいだ」

「何より僕からすれば」
「君がただ隣にいるというのが」
「かけがいのないさいわいだ」

「君もさいわいの種は持っているはずさ」
「お日様の光が届いて水が与えられ」
「芽吹くその日を待っているのさ」

さいわい

さいわい

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-18

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted