さいわい
「幸いから見放されたなんて」
「不幸だなんて泣かないで」
「幸いは何処にでもあるのさ」
「君が幸いと不幸を知覚できる人間ならば」
「貧しさや不遇のなかにいる人が」
「幸せじゃないなんて僕は思わない」
「富があって恵まれた人たちが」
「全て幸せだなんて僕は思わない」
「何故ならほんとうのさいわいとは」
「当たり前にあるものだから」
「すべからく全ての生物に与えられるから」
「お日様の光が暖かいこと」
「耳をすませば美しいさえずりが聞こえること」
「花の色が美しいこと」
「闇夜に星と月が輝くこと」
「これらはみんなさいわいだ」
「何より僕からすれば」
「君がただ隣にいるというのが」
「かけがいのないさいわいだ」
「君もさいわいの種は持っているはずさ」
「お日様の光が届いて水が与えられ」
「芽吹くその日を待っているのさ」
さいわい