アキレスと亀 異聞①

         「アキレスと亀 異聞①」


 若いアキレスは先にスタートした老いた亀を追い駆けた。アキレスはす

ぐに亀に追い付いたが、追い越そうとしてはたと立ち止まった。

「えっ!どこ?」

アキレスは亀の足跡をたよりに駆けて来たが、亀に追い付いた途端に広い

荒野の何処を目指して駆ければいいのか分らなかった。アキレスは仕方な

くのろい亀の後をトボトボとついて行くしかなかった。つまり、アキレス

は亀を追い越すことが出来なかった。それを遠くから見ていたゼノンはし

ばらく考え込んだ後、

「そうか!」

と言って手を打った。           

                          (おわり)

アキレスと亀 異聞①

アキレスと亀 異聞①

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-12

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