東京見物

 先日、上野の「古代アンデス文明展」を見に行った。私と夫と仕事で上京して来た夫の友達とだった。彼は仕事の休日に夫と遊びたかったのだった。上野であった彼は背広を着ていて、サラリーマンの格好だった。
はじめ行く予定だった運慶展は開館前にも関わらず人が並び、混みすぎてて諦めた。

 古代アンデス文明は凄かった。時々出てくる人の顔の造形があっちの国の人なのかなという感じの私達とは違う顔をしてた。
そのほかの展示品も色々面白かった。
展示を見たあと食事をして夫の友人は満足して帰って行った。そのあとアメ横をうろうろしていたがてもちぶさたになった。しかも私は夕方から会社の用事があるので家に2人で帰るわけにもいかずその間暇になり、浅草へ夫と出た。

 浅草寺へ行く。浅草寺は入り口から仲見世からお寺に至るまで写真映えする風景が多い。
観光客も着物を着てる人も普通の人も結構写真を携帯で撮っている姿が見えた。私達も撮った。人力車があり、運ぶ人の元気さと若々しさが印象に残った。
参拝の時、夫は神社式のお参りの柏手を打ってたのでそれは違うと言って、お寺を出た。
そして花やしきの方へ出た。しかし、時間があまりないので涙を飲んで入らなかった。来週から寒くなるらしくて楽しむにはラストチャンスかもしれない。天気も良く暖かい。しかし、諦めた。

 夫は気を取り直して「梅むら」の豆かんを食べようというので、私はそんなにお腹はすいていなかったが、「梅むら」へ着いていった。
「梅むら」は座敷に座ることができて、豆かんもとてもおいしかった。値段も安い。
内装が昔からあるお店という感じでくつろげた。お茶も出てますますくつろいだ。

 「梅むら」を出て、私達は仲見世の横道を通り抜けて銀座線の浅草駅へ向かった。
夫は「離れたくない」と言ったが、仕事なので仕方がない。参加してもしなくてもいい研修だが放りっぱなしにもできなかった。
夫はそれでも我慢して私を改札まで見送って私は銀座線の席に座るため慌ててPASMOで改札を通り既に来ている銀座線の駅に乗り込んだ。

 私は座ることができた。銀座線は乗ってると神田、新橋、銀座…沢山の東京の有名な駅を横断して通り過ぎる。
上野から浅草、渋谷まで。東京の昔からある浅草から現代の賑やかな渋谷まで、今日は東京に住みながらも東京を見物した気分になったのだった。

渋谷と浅草は同じ人が溢れているのに場所の雰囲気が違うだけで人々や歩いている私自身の気分が変わる。同じ人なのに不思議だなと思いながら、渋谷で職場へ向かう路線の電車を探した。

東京見物

東京見物

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-10

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