狂喜-4-

彼女がここに来たことには驚いた。
間近でみる彼女の肌は透き通っていて、持っていたゆず茶(甘ったるくて僕は嫌いだ)をこぼさないでいることに必死だった。

宮部 れいな
A組で、図書委員をしている。
先週肩まであった髪をショート丈に切った。
いつもカバンにはハンカチとポケットティッシュが入っている。

入学式では1番に登校していた。

その日から、彼女を見守るのが僕の役目だった。
きちんと帰れているのか、変な虫がついたりしないか。
見守るだけで、とても幸せだった。

だけど、文化祭の出し物で喫茶店をして
彼女がここにいる。
運命だと思った。だって、彼女の僕を見る目は今までと違った。
その証拠に、次の日から彼女の生活が変わった。帰りは真っ直ぐ帰らなくなった。
僕を見ている。
確信があった。

狂喜-4-

狂喜-4-

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-08-31

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