同じ傘の下
二人一緒に居ると
元気な晴れの日も
憂鬱な雨の日も
幸せな気持ちになれた

差した傘の上
空から降る雨粒が
奏でる音楽は
いつかラジオから
聴こえた曲に似ていた

呟いた君の声は
轟音に掻き消された
もう一度なんて言えなくて
君に傘を寄せて
気付かれないよう涙を流した

同じ傘の下
土砂降りで濡れた
冷めた青い体を
予備のパーカーで
満遍なく覆った

差した傘の上
遥か遠い宇宙から
見れば僕らは
塵よりも小さい
存在だった

片思いでいいと
伝えようとしたのに
風が強くなってきた
寒くて震える
君に何も言えずに涙を流した

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-10

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted