ゴミ箱の中の星

今日はちょっとだけ
嫌な僕が生きていたんだ
がらくたを一つゴミ箱に詰める度
目の前の視界がぼやけて
大好きだった君が言った言葉は
空より遠く高く飛んでいってしまった

僕は嫌な奴だと知って
何度も死のうとしたけど無理だった
命の儚さなんて十分理解してるつもりさ

ふと目を閉じてみる
嘘だらけの世の中で
闇に隠れている真実を知るほど
未来に希望は持てなくて
この先どうしようもなくつまらない
自分のまま生きていくとか考えたくもなかった

君が嫌な奴だと知って
気付けばあれから何十年も経った
忘れるなんて
逃げるようなことした覚えは無いのにさ僕は

約束も守れないまま
このまま大人になっていく
今だからこそ出来ることだとか
大人はいつでもできるからとか言って
青春を延期させていく

今から出会う誰かが嫌な奴だとして
特別準備することはない
だって最初から
終わりまでいつか全て失ってしまうから僕は

ゴミ箱の中の星
散りばめられた屑の中で
光輝き放ってる一番星
捨てられた想いの欠片から
創られたゴミ箱の中の星

ゴミ箱の中の星

ゴミ箱の中の星

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-10

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