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清水優輝

雨が降っている
クレヨンのかすれた筆跡で
上から下へ 上から下へ
画用紙を滑る丸い手を
止める者は誰もいない

雨が降っている
石頭を覆うハンチング帽
水滴を吸い 重くなる
耐えられなくなった頸椎は
仕事を辞めてしまった

雨が降っている
洗いたての車をめがけて
一粒一粒の主張は強く響く
鏡は曇ってしまった
誰かが大口開けて笑うから
 
雨が降っている
回る回る赤いスカート
頬に流れるそれを振り払った
喉を潤そうと滑稽に
身体の存在を忘れている

雨が降っている
黄色に染まった町に
罰を与えるつもりらしい
されど抗うのだ 人間よ!
傘に自由な色を乗せて

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-09

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