デンドロカカリヤ再び
安部公房先生への敬意を込める
隙も無いほどただ無我夢中に
言葉を羅列しております
訳の解らぬ言葉を連ねる
パラリラ パラリラ パラリラ パラリラ
万年筆を握ったまま
牛脂の如く原稿用紙の上で溶けて
其の心意気を果たせずに
凡人より下層へ潜った能無し才無し
夜になったら聴こえるらしい
デンドロカカリヤ デンドロカカリヤ
食虫植物の捕食動画を
何度も何度も繰り返し観て
彼女は無邪気に笑って居た
其れが許される程
彼女はもう若く無い
デンドロカカリヤ
繭になって内側から
共産主義の赤い光を照らした様に
私は蒲団に疼くまって
見かけ倒しの弱肉強食を訴えよう
デンドロカカリヤ デンドロカカリヤ
ラストまで響かないから
此の文章で未だに誰も殺せずにいる
チキシヨウと叫ぶ私を横目に
母は嬉しそうに北叟笑む
パラリラ パラリラ
嗚呼 うちの子は未だ狂っていない
弱肉強食の丁度真ん中に居るンダワ
死にたがりの彼と
自尊心過剰な彼女を
一緒の鍋で煮れたらどんなに愉しいか
グツグツ グツグツ
デンドロカカリヤ デンドロカカリヤ
マスクの下を観た事がアッテ?
其れは其れは まるでもう
ディオネアの様な立派な牙が
生え揃っておいでノコト
一層鍋で煮るよりも
私が噛み砕いて仕舞いたい
デンドロカカリヤ デンドロカカリヤ
パラリラ パラリラ
デンドロカカリヤ
デンドロカカリヤ再び
然して其れでもやはり
安部公房先生には
敬意を払っておきたいものです