灰色みたいな青の詩

灰色みたいな青の詩


静かで灰色の朝は好き
わたしの好きな顔をしている

そんな、あなたなら、わかりあえそう

冷たい朝露が好きだった

わたしの手を青く染める光が好きだった

夢との境目が曖昧なところ
みんな、みんな、青くなるところ

押し付けがましくなくて、
暗くて、ゆううつで、肌になじむ

夢見ることの最期


フランネルにくるむ
叶わなかった夢の声

くぐもった声を抱擁する
聖母になれなかった女の子

処方された粉薬は苦く
報われない思いは救われない

「世界の果てから声がします」

啓示は胸の中に
泣き声は夢の中に

何にもなれなかった女の子

透明、オフィスビル


透明なビルディング
青い空が透視される

働く人たちの動きはスローモーション

わたしは、マフラーを巻いて、
群像劇を眺めていた

あいされたかった、

呟いてみても、
どこにも到達しない、わたしの声

せめて、かわいいね、と、透明なビルたちに、伝えたかった、

灰色みたいな青の詩

灰色みたいな青の詩

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-02

Copyrighted
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  1. 灰色みたいな青の詩
  2. 夢見ることの最期
  3. 透明、オフィスビル