理系少女のレコード
理系少女のレコード
雨に濡れた方程式
雫が連なる連立方程式
x、yに何も与えられず
わたしの生活はずぶ濡れであった
雨に打たれて、100年前の少女の声を聞くことは、何の意味もなさないと、濡れた雑草に慰められる
わたしは、雨になりたかった
曲がり角であなたに、出会うことの出来ない、物語ばかり、積み重なって、わたしは、もう、雨になりたかったのだ
このうたは、100年前の少女のうた
しずく
濡れた金木犀の、どこまでも、苦しい、甘さは、わたしの、せいしんの、ふはい、を、教えてくれる
連なる雫が、浄化を知らせる、霧雨の中に、溶けることを、処方される
生活が、重かった
今日の雨に、消えたかった
苦しい、甘さ、
悲しい、シャツ
何もかもが水を含んで、わたしは、いつになれば、溶けるのか、歩きながら、待っていた
歩きながら、願っていた
どこにも、たどり着きたくなかった
だれにも、会いたくなかった
もう、責められるのは、いやだった
こすもす
心臓に、おいていかれた、朝は、
蛇の抜け殻みたいに、白くなった、わたしが、あちらこちらに、落ちています
どれが、わたし、なのか、よくわからないまま、出掛けて行きます、
この苦しさ、
この苛立ち、
この虚無感、
なににも、光は当たらずに、わたしは、太陽による、黙殺を、受け続け、
自分を濡らす、霧雨にだけ、愛の幻を見てみたりして、
死んでるみたいに、生きています、
わたしは、飛び切りの笑顔を浮かべて、死んだみたい、な、わたしの抜け殻、を、喫煙ルームの吸い殻入れに、忍ばせています、
まるで、生きてるみたいでした、
くうきょ、きょむ、
なんて、可愛い言葉、
きっと、1000年先も、流行っているって、今朝、若者文化の最先端が語っていました、
雨の雫が、雑草を光らせる、
そういうことを、やさしさ、だと、言うのだと、わたしは、思って、歩いています、
濡れていくわたしは、もう、やさしさ、しか、ないって、思って、俯いています
理系少女のレコード