理系少女のレコード

理系少女のレコード


雨に濡れた方程式
雫が連なる連立方程式

x、yに何も与えられず
わたしの生活はずぶ濡れであった

雨に打たれて、100年前の少女の声を聞くことは、何の意味もなさないと、濡れた雑草に慰められる

わたしは、雨になりたかった

曲がり角であなたに、出会うことの出来ない、物語ばかり、積み重なって、わたしは、もう、雨になりたかったのだ

このうたは、100年前の少女のうた

しずく


濡れた金木犀の、どこまでも、苦しい、甘さは、わたしの、せいしんの、ふはい、を、教えてくれる

連なる雫が、浄化を知らせる、霧雨の中に、溶けることを、処方される

生活が、重かった

今日の雨に、消えたかった

苦しい、甘さ、

悲しい、シャツ

何もかもが水を含んで、わたしは、いつになれば、溶けるのか、歩きながら、待っていた

歩きながら、願っていた

どこにも、たどり着きたくなかった

だれにも、会いたくなかった

もう、責められるのは、いやだった

こすもす


心臓に、おいていかれた、朝は、

蛇の抜け殻みたいに、白くなった、わたしが、あちらこちらに、落ちています

どれが、わたし、なのか、よくわからないまま、出掛けて行きます、

この苦しさ、
この苛立ち、
この虚無感、

なににも、光は当たらずに、わたしは、太陽による、黙殺を、受け続け、

自分を濡らす、霧雨にだけ、愛の幻を見てみたりして、

死んでるみたいに、生きています、

わたしは、飛び切りの笑顔を浮かべて、死んだみたい、な、わたしの抜け殻、を、喫煙ルームの吸い殻入れに、忍ばせています、

まるで、生きてるみたいでした、

くうきょ、きょむ、
なんて、可愛い言葉、
きっと、1000年先も、流行っているって、今朝、若者文化の最先端が語っていました、

雨の雫が、雑草を光らせる、
そういうことを、やさしさ、だと、言うのだと、わたしは、思って、歩いています、

濡れていくわたしは、もう、やさしさ、しか、ないって、思って、俯いています

理系少女のレコード

理系少女のレコード

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-01

Copyrighted
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  1. 理系少女のレコード
  2. しずく
  3. こすもす