2メートル弱の温度

肩口が濡れるのなんて気にならなかった。抱いた腕に力がこもる。温度の溶け合うのがわかって、早くなる鼓動が恥ずかしい。
僕はちっぽけで弱虫だから、あなたの苦しみをすべて拭ってあげることはできない。だからせめて、あなたの凍えた心をこの腕の中で温めてあげたいのだ。これが唯一僕にできるあなたの助け方。
ごめんねの言葉とともに肩の震えが小さくなっていく。あなたの心に熱が戻っていく。願わくばこのまま、僕の温度であなたの心を、このまま。

2メートル弱の温度

自分の温度で誰かが救えたらって、たまに思います。

2メートル弱の温度

最近寒い日が続いています

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-01

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