パジャマ・パーティー
間違い探しとチョコレイト
間違って、しまうことは、
私にとって、命に関わります
生活能力が、無いことが、
よく、わかってしまいます
私はお湯もろくに沸かせず、
何も考えずに口に食べ物を入れ
何も考えずにお財布にあるだけの
お金を使ってしまいます
周りの人たちは、みんなよく、考えて、生きています
私はとても、肩身が狭いです
意気揚々と行ったことが間違いであった時、この先ちゃんと生きていける自信が無くなってしまいます
チョコレートを口に入れている間は生きていけるのは、幼児になることを許されるから
幼い時間を過ごす間は、世界がとても優しかった
泣きながら過ごしていると、大人に怒られるので、あまり泣けないのは、とてもつらいことです
口の周りをチョコレートだらけにして、わたしはアメ玉の夢を見た
(だって、わたし、生きていけない)
チョコレートの包み紙が部屋を覆っていくことが、常識で、毎日野菜を食べたり、毎日自分の意見をきちんと言うことは、非常識なことだと、間違うたびに確かめて、確かめるたび、悲しくなった
(わたしは、どうして、まちがうの?)
虫歯がたくさん出来てしまっても、わたしは、自分の間違いを埋め合わせることに必死だった
生存本能
蜂みたいな人たちは、
蜂の巣を囲んで楽しそう
わたしはいつ、刺されるのか、気が気でなく、離れたところに座っていた
囲炉裏の明かりは、働き蜂に優しくて、わたしがいることに気がつかなかった
蜂の巣に触れたりなんてしなかった、
わたしは周りを静かに歩いていた
昔、刺されたことがあるからか、蜂の巣はとてもこわかった
今も夢に見てしまう
針より怖いのは視線です
死に至る程の毒が、塗られています、わたしは、いつか、死んでしまう気がして、やはり静かに歩きます
囲炉裏の明かり照らされなくても、生きていられるなら、それでよかった
パジャマ・パーティー
染色体が見た夢は
私の独り言を青く縁取る
窓を叩く雨音に
修正液をこぼしていく
頭痛は甘やかなリフレイン
小鳥たちの亡霊が電線にとまる
金縛りに抵抗することをやめたら
楽に眠りに落ちました
今朝は、飛行機の夢を見ていました
とても悲しいことでした
わたしはすっかり、何かを忘れ去り、
布団から覗く、自分の血管の青さしか、わからなくなりました、
今夜届く小包に、何の感慨も抱かずに、夜の草むらに隠しておいて、夜露だけを与え続ける
新しい、秘密でした
わたしはすっかり、忘れ去りました
パジャマ・パーティー