高校野球物語 第零話
初投稿です。初めて書いた作品なので変なところが多数あると思います。お手柔らかにお願いします。
第零話
北海道札幌市。北海道とはいえ夏場は30度を超える日があるくらい暑くなる。今は7月下旬夏の暑さもピークを向かえるこの時期。ある場所ではさらなる熱気を帯びていた。
ユウタ「なぁ、ケイタもう帰ろうぜ〜」
ケイタ「何言ってんだよユウタ、まだ始まってすらいな いじゃないか。」
ユウタ「今年もう何回も見に来てるべ。何もこんな暑い日に見にこなくたって。」
ケイタ「別に何回見てもいいだろ?今日の試合は特に面白いぞ!」
そんなことを話してるうちに二人は入り口までたどり着くがまるで俺たちが入り口に辿り着くのを見計らっていたかのようなタイミングでサイレンが鳴り響く
---パァァァァァァァァァァ---
ケイタ「やべ!試合始まんじゃん!ユウタいそげ!」
二人は学生証と100円をとりだし受付に渡す。
階段を上る途中ものすごい応援が聞こえてくる。
階段を登りきるとそこはものすごい熱気で包まれていた。
ケイタ「間に合ったー!」
ふーっと俺が息を整えていると、
ユウタ「いやーいつ見ても第三高の応援すげぇな!」
あれだけ帰ろうと言っていたケイタだったがいざ球場入りすると興奮が抑えきれないようだ。
そう今日は高校野球南北海道大会の決勝、つまり夏の甲子園の切符がかかった一戦が行われるのである。
今日の試合は札幌第三高校対札幌龍栄高校で、札幌第三は甲子園に何度も出場している名門校だ。
ユウタ「やっぱ今日は第三だべ」
ケイタ「無難にいけば第三だろうな。でも龍栄もいい試
合ここまでしてきてるからな。まあここまでくることは予想してなかったけどね(笑)」
そうやって話していると早速先攻第三高はチャンスを向かえる。しかし龍栄のピッチャーが悪いわけではない、むしろここまで勝ち上がってきたのが納得できるくらいいい球を投げている。サウスポーでここまで球速がでていれば合格点だろう。
キィンと甲高い音をたて白球はものすごいスピードでレフトの前まで転がっていく。その間に2塁ランナーは一気に3塁を蹴りホームへ。第三高は一点を先制した。
龍栄高校は一点を取られたものの後続を打ち取り最少失点で切り抜けた。
ユウタ「いきなりすごい攻撃だったけどよく抑えたな」
ケイタ「三点くらいはいると思ったけどね(笑)」
その後第三高が追加点を取ると思われたが試合は1-0のまま膠着状態に陥るも七回、突然試合は動き出す。
アナウンス「七回の裏札幌龍栄高校の攻撃は一番サード・・・」
ユウタ「この回取れないとだいぶ厳しいね。」
ケイタ「一点差ってのが救いだね、まだまだわかんないし打たれ出してもピッチャーの替え時が難しい。」
---パキィン!!---
大きな音と共に白球はものすごい弾道で打ち上がった。すごい勢いで上がったそれはセンター方向へ。第三高のセンターがダッシュしホーム側を向く。誰もがセンターフライだと思ったその瞬間センターは後ろ向きで後退し始めフェンスに背中がついてしまう。
---カコン---
打球はセンターバックスクリーンへ吸い込まれていき
会場は大歓声に沸いた。
ユウタ「うわー激アツじゃん!今日見にきてよかったな!」
ケイタ「お前帰ろうとか言ってなかったか?まあでもこの展開はやべーな」
そのホームランを足がかりに龍栄は相手のエラーも絡み二点を追加1-3とし九回表2アウトランナーなしまで試合は進んだ。
応援席をみると第三高の一塁側アルプスは全校応援独特のものすごい数の声とともにやや諦めムードがまだわかるほどだ。
一方龍栄高の三塁側アルプスは初の甲子園に向けものすごい声援がグラウンドへ向け発せられているがグラウンドの上の選手達には勝ちを確信した様子はなく緊張感が顔から観れるほど漂っていた。
アナウンス「札幌第三高校バッター・・に変わりまして、、、」
ここから逆転すると言わんばかりに攻撃的代打が送られる。背番号は一桁、要はレギュラークラスの打者だ。
何らかの理由でスタメンを外れていたのだろう。
ケイタ「ここで油断したら負けるぞ。頑張れあと一人だ。」
ケイタは自然と龍栄高を応援していた。なぜだかはわからないが龍栄に勝って欲しかった。
「ストラック、アウトー!」
審判の甲高い声がスタンドに響き渡る。
バットをフルスイングした第三高の打者はその場に崩れ落ちベンチからは選手達が顔を伏せながらでてくる。
一方龍栄高の選手達は投手に向かって選手全員が走り寄る。両校の選手は整列し帽子を取って挨拶し試合が終わる。挨拶したあとお互いの健闘を称えあって抱き合ったり握手したりする選手もいる。
ケイタ「俺らも来年から勝負だな。」
ユウタ「そうだな!」
ケイタ「俺、進路決めたよ。龍栄にいく。いって来年から試合出て甲子園にいくよ。」
ユウタ「そうか。これから敵同士だな!俺は第三にいくよ!てか、こんなの初めてじゃね?別々になんのさ」
そう俺とユウタは小学校からずっと同じチームで野球をやってきた幼馴染なのだ。正直俺は高校も一緒にできると思ったが今のユウタの顔はもう何を言おうと意志を変えないという顔だ。
ケイタ「そうだな!まあ、結局俺が勝つけどな!」
ユウタ「その言葉そっくりそのままかえすよ。」
帰りは二人で今日の試合のことやこれからのことを話しながら帰宅した。ここからケイタの波乱な高校野球が始まっていた。
第零話 完
高校野球物語 第零話
最後まで見ていただきありがとうございました。僕自身も高校野球をやっていたのでこれから続きをたくさん出して楽しみにしていただけるような作品を作っていきたいと同時に成長記録のようにしていきたいです!
今回は試合パートは短いですが本編では多く出していきたいと思ってます!