始まりはキレイじゃなくても

柏木優成

面白いことなんて、なにひとつ起こらない。
剛は、公園のベンチに座ってぼうっと空を眺めていた。
部活に入っておらず、家にも帰りたくない剛の放課後の日課だった。
自分はこのまま退屈な人生を送っていくのだろうか。そんなことを考えながら空を見ていた。
突然、鉛の固まりが落ちてきたような音がして、地面が揺れた。
剛は何が起こったのか理解できていなかったが、目の前に倒れているものを見た。
白いセーラー服に紺色のスカート、無造作に乱れた黒髪。
どうやらそれは、女の子のようだった。
なぜ、女の子が。
まさか、振ってきたのか。空から?
そんなことがあり得るのだとしても、不思議な力でヒラヒラと舞い落ちるように、ロマンチックに降ってくるものじゃないのか。
そういうキレイなものじゃないのか。
これじゃまるで隕石じゃないか。
「現実はキレイにいかないものだねぇ」
そう言った後で倒れていた女の子は起き上がり、手で身体を払い、頭を振って軽く髪を整えた。
何かが始まりそうな気がした。

始まりはキレイじゃなくても

お題「空から女の子が降ってくる」400字。
なかなか上手に書けないものです…。ま、始まりはキレイじゃなくても、ってことで。

始まりはキレイじゃなくても

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-10-27

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted