人狼ゲーム(相当シンプルなやつです)

青木竜我(あおきりゅうが)、金山智美(かなやまともみ)、木藤紀子(きとうのりこ)、斎藤直也(さいとうなおや)、高橋孝二(たかはしこうじ)、中川紗英(なかがわさえ)、佐久間徹(さくまとおる)、佐久間結(さくまゆい)、須藤新太(すどうあらた)、大塚明菜(おおつかあきな)

の10名で行われる人狼ゲームです。少しだけ人間関係も絡ませてるので、そこで楽しんでいただけたらと思います。
なお人狼の進行は実際にあった村を参考にしてます。

制作途中ですが、随時公開しておきます。

ゲーム開始の前の夜

自分の本当の思考を知りたいと思うようになったのは、いつからだったろうか。

いつから自分の思考はストーリー化したのだろうか。

夜の10時、やっと1人で帰路につけたとき、いつも考える。

誰が自分の本当の思考を知ってくれているのだろう。

親か?

いや、親はいつも僕のオリジナル小説を読んでくれてる。

高校には仲のいい友人がいて、いつも夜更けるまで一緒に楽しんでるっていう、小説。

じゃあ、誰が知ってくれてるんだろう?

確か中学まではみんな知ってくれてた。

嫌なものは「嫌」と言い、やりたいことは「やりたい」と言えた。

誰に言っても、その意見は通った。通るのが当たり前だった。

でも、今はみんな見てくれない、それどころか、自ら見せようとすると、各々の手を使って隠そうとしてくる。

しばらくは自分も見せようとした。努力した。

でも、最初は見てくれてた人も、次第に見てくれなくなる。

そして最後には、自ら見ようともしなくなる。

自然と思考を書き換える。面白いストーリーを書くようになる。

そうすると、次第に生きやすい環境に整ってくる。それで楽になれる。


もう、元には戻れないという自覚はあった。一生このままだって。

一生自分は素を出さずに生きていくんだって。

いやそもそも出せないか、だって自分も今の考えが分からなくなってきてるんだもん。

こう考えてるときでもわかるんだ。後ろから誰か来てる。

あいつだ、ぼくと友達孝二だ。

会いたいな、でもいつもこうだ、自分の足は止まろうとしない。

孝二が近づいてくる。足音が細かくなってくる。

あぁ、また絡まれるんだ。



布で口を塞がれた。

ゲーム開始


・・・横になってる。


声が聞こえてきた。自分の名前を呼ばれながら体を揺さぶられている。


何度も何度も直也と呼ばれ続けている。


重い目を開いて揺すりの主を見てみる。

孝二だ。そういえばさっきよりも声がはっきりと聞こえて来ている。

「あぁ、高橋くん」間抜けな応答をしたな、と少し後悔した。

孝二は直後、いの一番にこう切り出した。「お前、どうやってここに来た」って。

「どうやってって・・・口を押さえられて、それでだよ。」情報はそれしかないのに、

孝二は「いや他になんか思い出せないかよ!」って脅してくる。

「覚えてないよ。」そうとしか応えられない。

この応答の繰り返しに少し疲れてきて周りを見渡した。



周りにも人がいる。倒れている。


あ・・・今気づいた。


この状況、おかしいんだ。



なんでここにいるんだ?

なんで?

急に息が荒くなる。頭が混乱してくる。

もうこの状況を聞き出すには孝二に頼るしかないみたい。

でも、孝二も同じ状況だ。明らかに動揺している。

質問してもただ「わからない」と言うばかり。

「とりあえずみんなを起こそう。」自分はそう提案した。

まず近くにいる女を揺する。

すぐに目を覚ました。だいぶ落ち着いてそうな風貌だ。

女は何秒か周りを見渡したのちに「なんなのこれ。」と一言呟いた。

自分は「わかりません」としか言えない。

孝二の方を見ると何人か起き出していた。

ガタイのいい男、メガネをかけた女、清楚な女、目先のするどい男、

そんな風に人を観察していると、後ろから風を切って走り過ぎていった男がいた。

その男はまだ寝ている女を必死に揺する。「ゆい、ゆい」と声をかけ続ける。

するとゆいも目を覚ました。すぐさまゆいは「お兄ちゃん」と泣きながらお兄ちゃんに抱きついた。

「ねぇ」後ろから大声で呼ばれた。いや自分特定で呼んだわけじゃなさそう。

「これどうなってんの?なんかの企画?てかあんたたち、なんなの?」

明らかにギャルを思わせるような女が質問攻めしてきた。

「いや、分からないです。」お兄ちゃんが静かに応えた。

「分からないってなに?じゃああんたらもこの企画の参加者?あぁマルチ企画ってやつぅ?ハハッウケルー」

ギャルは楽しそうだ。

するとガタイのいい男がその言動を変だととがめた。「状況を考えろよ。拉致だろこれ。」

うんだよね、常識あってよかった。

だいぶ動揺も収まって立ち上がった。1つの部屋に椅子が円状に並べられている。

数えたら・・・10個。ここにいる人数も・・・10人。

椅子に座ってやる何かか?

10人は何が何だか分からないまま推測だけをしていった。
なんのために自分たちは拉致られたのか、なにをしなければならないのか・・・



電気が消えた。

何も見えなくなった。驚きの声が多数聞こえた。

どこからか音がする。テープを回す音。

すると壁に画面が映し出された。スクリーンだ。

みんながその画面に見入る。映像は青無地の背景にただ文章が映し出されてくだけだった。

でもその文章は、明らかに自らの今後に必要不可欠なものだった。内容は以下の通りである。



注意事項
・屋内からでてはいけません
・備品を破壊してはいけません
・他人に暴力を振るってはいけません


これより皆様には、「人狼ゲーム」をやっていただきます


内訳
村人陣営
占い師 1人
霊媒師 1人
狩人  1人
村人  4人

人狼陣営
人狼  2人
狂人  1人


これより毎晩、夜8時までにこの部屋に集まり、誰を処刑するかを投票で決めてください
決めたらその人を夜8時半までに殺してください


夜10時から朝6時までは自室にいてください
勝手に外に出てはいけません


ただし人狼は夜12時から2時までの間に1人を殺してください
殺さなかった場合、全員処刑されます


尚、終日生存してる他人の個室にはいってはいけません。


このビデオを見終わったら、まずそれぞれの自室に入ってその中に役職をみてください。


占い師は夜の間に誰か1人を人狼か人狼ではないかを知ることができます


霊媒師は直前に殺された人が人狼か人狼ではないかを知ることができます


狩人は夜の間に誰か1人を人狼の襲撃から守ることができます
ただし、狩人自身をまもることはできません


狂人は村人陣営に数えられますが、
人狼が勝つことで勝利できます


生き残ったものには、賞金が与えられます。


それでは、各自頑張って生き抜いてください。




なに・・・ひとおおかみげーむ?

人狼ゲーム 1日目昼

ビデオ終了後、すぐに電気がついた。

やはりみんな、呆然としている。

しばらく、誰も動き出すことができなかった。

すると孝二口火を切った。「とりあえず、指示に従った方がいいと思う。自室に入りましょう。」


自分たちが最初にいたところは1Fの大広間、それぞれの個室は階段を登ってすぐのところにあった。

それぞれの扉には名前と顔写真が貼られていた。自分の個室は階段登って左側、孝二の部屋の前を通って次のところにあった。

扉には『斎藤直也』と自分の顔があった。

扉を開けて中に入る。


中はいたって普通の部屋。

クローゼットがあって、ベッドがあって、洗面台があって、テレビがあって。

テレビに文字が映し出されていた。さっきのビデオと同じような背景、字体でこう書かれてた。


「斎藤直也は村人です。」


村人・・・あぁ4人いたやつか。

すると勝手にテレビ電源が切れた。

どうなってんのこのテレビ・・・。


一通り部屋の中を見たが特におかしなものはなく、部屋からでた。

すると隣で孝二が待ってくれていた。

「大丈夫か?」

「う・・・大丈夫。」


孝二は優しい。みんなから好かれている。自分だっていい友人になれると思ってた人だ。

でも知ってしまったんだ。孝二の本性。


自分を高校から追い出そうとする主犯。それが高橋孝二。


知りたくなかったよ。

でも、コンビニに寄ったら、自分に手を使う奴らとつるんでたんだ。

孝二自身は一切そういうことしてなかったのに。

それを見て以来、孝二とつるむのが怖くなった。関わりを持ちたくなかった。

でも、そことしかまともに話せる相手がいない。だから会いたいとも思う。

でも怖い。


しかし今はそうも言ってられない。ここにいる10人のなかで唯一知ってるのは孝二だけだから。

2人でさっきの大広間のとなりにある食堂らしいところに行った。

そこに皆は集まっていた。

人狼ゲーム(相当シンプルなやつです)

人狼ゲーム(相当シンプルなやつです)

青木竜我(あおきりゅうが)、金山智美(かなやまともみ)、木藤紀子(きとうのりこ)、斎藤直也(さいとうなおや)、高橋孝二(たかはしこうじ)、中川紗英(なかがわさえ)、佐久間徹(さくまとおる)、佐久間結(さくまゆい)、須藤新太(すどうあらた)、大塚明菜(おおつかあきな) の10名で行われる人狼ゲームです。少しだけ人間関係も絡ませてるので、そこで楽しんでいただけたらと思います。 なお人狼の進行は実際にあった村を参考にしてます。 制作途中ですが、随時公開しておきます。

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-10-23

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. ゲーム開始の前の夜
  2. ゲーム開始
  3. 人狼ゲーム 1日目昼