悲しい坂
悲しい坂を歩いていた。たった一人でもくもくと
きれいな花が咲いていた。たった一人でひっそりと
きれいな花は青かった。コバルトブルーの色だった
誰に摘まれることもなくたった一人で咲いていた
僕は毎日、通学の時
きれいなこの花を見ていた
それにどんなに慰められたことだろう
けれど月日が巡ったら
きれいな花は摘まれていた
僕は一人で悲しかった
悲しい思いでいっぱいで
僕は一人で放浪した
悲しい季節が訪れると
きれいな花はまた咲いた
僕は彼女を愛していた
ずっとずっと愛していた
ある日僕は一人だった
そうして公園のベンチに腰掛け
一人で酒を飲んでいた
すると可愛い女の子が僕のところに来た
「あなたが見ていたあの花は
あなたが愛でていたあの花は・・・・
実は私なんです。私はあなたを愛している
そうして僕は彼女とめぐりあった
六月初旬のころだった。
僕は彼女に再会した
悲しい坂