クルクルこねこ

佐分来

クルクルこねこ
ネコこねこ
クルクルこねこ
クルこねこ
お外に出たい
遊びたい
クルクルこねこ
ネコこねこ

朝起きて
伸びをする
フニャンと鳴くと
奥さんが
あらあら大変
まあ大変
お皿にコロコロ
入れて出す
コロコロ美味い
美味しいよ
カリカリ食べる
よく食べる
いっぱい食べる
パクパク食べる
モグモグモグ
ゴクンっ
クルクルこねこ
クルこねこ

クルクルこねこ
ネコこねこ
お外は明るい
楽しそう
お外に出たいな
遊びたい
出ようとしても
何かがいるよ
冷たい何かが
通せんぼ
ぷにゅぷにゅ
触ってみるけど
冷たい何かが
じゃまをして
お外に出れない
出られない
仕方が無いから
コロコロ食べる
パクパクパク
パクパクパク
パクパク
パクパク
よく食べる
コロコロこねこ
ネコこねこ
お腹がいっぱい
腹いっぱい
何だか目蓋が重くなる
クルクルこねこ
ネコこねこ

クルクルこねこ
ネコこねこ
コロコロ食べて
腹いっぱい
ニーッと鳴いて
横になる
スヤスヤこねこ
寝るこねこ
スピスピ鼻が鳴っている
クルクルこねこ
ネコこねこ

ボスン!

なんだろ? なんだ?
音がした
パッチリ眼を開け
首上げる
クルリと周りを見てみても
何にも変わった事は無い
お家も
お外も
変わりない
なんだ
なんだ
気のせいか
クルクルこねこ
ネコこねこ

ヤッパリ眠いぞ
眠たいぞ
目蓋が自然に落ちてくる

パタタっ!
パタタっ!
パタパタタっ!

あれあれ
何かへんな音
お外で何かへんな音
冷たい何かに
触らぬように
ソッとお外を覗いてみるよ
なんだろ?
なんだ?
音がした
ゆっくり首をのばしてみると
何かがパタパタ騒いでる
パタパタパタ
パタパタパタ
騒いでる
パタパタ何かが
騒いでる
ちっちゃい何かが
騒いでる
ミャウミャウミャウ!
ミャウミャウミャウ!
ミャウミャウミャウ!
奥さん
奥さん
たいへんです
何かがパタパタ
しています

どうしたの?
そんなに鳴いて
どうしたの?
ミャウミャウミャー
ミャウミャウミャー
奥さんお外を覗き見る
あらあら大変
まあ、大変

ガラガラガラっ!

ほらほら
ごらん
見てごらん
奥さん
お手てに何かをのせる
何かを差し出し
見せてくる
なんだろ?
なんだ?
コレなんだ?
ちいさな何かがパタパタしてる
奥さん手の上
パタパタしてる

スズメよ
スズメ
スズメさん
ガラスにぶつかり
ごっつんこ
頭をぶつけて
ごっつんこ
クルクル頭がまわってる

スズメかスズメ
これスズメ
茶色のちっちゃなパタパタだ

そのうちパタパタ起き出して
むっくりピョコッと
立ち上る
ピピっと鳴いたら
飛びだした
サッと飛んでく
素早いぞ
アッという間に
飛んでった

クルクルこねこ
ネコこねこ
お外に出たい
遊びたい
クルクルこねこ
ネコこねこ
お外にいっぱい
騒がしい
ピピピッ
ピピピッ
鳴いている
パタパタいっぱい
スズメがいっぱい
パタパタたくさん
スズメがたくさん
お外でいっぱい
遊んでる
何かをつついて
遊んでる
みんなでいっしょに
遊んでる
いいな
いいな
クルクルこねこ
クルこねこ
いいな
いいな
うらやましい
クルクルこねこ
ネコこねこ
ぷにゅぷにゅぷにゅ
触ってみるけど
ぷにゅぷにゅぷにゅ
お外にやっぱり
出られない
クルクルこねこ
ネコこねこ
クルクルこねこ
クルこねこ

クルクルこねこ
ネコこねこ
いつもの様に
朝起きて
コロコロもらって
パクついた
お腹がいっぱい
腹いっぱい
やっぱり
目蓋が重くなる
伸びを一回
してみても
やっぱり眠たい
眠りたい
ニーと鳴いて
みたけれど
とっても眠たい
眠りたい

クー

ん、何だ?
何かがお外にいるみたい
ノソッと顔を持ち上げる
何かが道を歩いてく
冷たい何か触らぬ様に
ソッとお外を覗いてみるよ
庭の向こうの
道のうえ
大きなオッサン歩いてく
オッサン
ヒゲ面
ガニ股だ
のっそりノッサノッサ
歩いてく
黒いマントをひるがえし
ユックリのっそり歩いてく
コワそう
ヤバいぞ
気を付けろ!
ソッと静かに覗いていたら
オッサン
コッチに気付いたよ
コッチに視線だ
ニラんでる
コワいよ
コワい
引っ込むぞ
隠れよう
急いでカーテンに
隠れたよ
オッサン行ったか?
まだいるか?
そうっと覗くと
いなかった
良かった
良かった
安全だ
クルクルこねこ
ネコこねこ

クルクルこねこ
ネコこねこ
ある朝起きて
伸びをした
フニャンと鳴いても
奥さん来ない
奥さん来ないから
探してみるぞ
お部屋の中を
グルグルするぞ
ウロウロしてたら
大発見!
小さな窓が開いていた
やったぞ!
やった!
お外に出れる!
喜び勇んで
外に出る
クルクルこねこ
ネコこねこ
自由だ、自由!
お外で自由!
庭を駆け回って
遊んじゃえ!
クルクルこねこ
ネコこねこ
庭は広いな
ウレシイな
木登りしちゃえ
登っちゃえ
枝の先っぽ
葉っぱがあるぞ
葉っぱの上には
何かがいるぞ
何だろ、何だ?
何だろう?
顔を洗って
眼を凝らす
手でヌギヌギぬぐって
眼を凝らす
虫さん
虫さん
虫がいる
見てたら
虫さん
鳴き出した
チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ…
綺麗な声で鳴き出した
虫さん
虫さん
綺麗だね
綺麗な声で鳴くんだね
アリガト
ネコちゃん
アリガトよ
ワシゃ、鳴くのが仕事なのさ
虫さん
虫さん
アナタは、だあれ?
ワシの名前は
カネタタキ
鳴き声きけば
よくわかる
鐘を叩く音
チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ…
鐘叩く
そうか
そうか
カネタタキ
カネタタキの虫さん
さようなら
じゃあな、ネコちゃん
気を付けて
クルクルこねこ
ネコこねこ
木から降りて
庭に立つ
伸びを一回しても
自由!
自由は消えない
ドコにも行かない!
草むらに
鼻を突っ込む
鼻先いれる
するとバッタが一匹ピョンと跳ねた
ピョンと跳ねてとんでった
跳んでくバッタを追掛ける
バッタをシュッと追掛ける
ピョン
シュッ
ピョン
シュッ
ピョン
シュッ
ピョーン
シュワッ
アレ?
いつの間にかお外に出たぞ
庭からお外に飛び出たぞ
道だ
道だ
固い道
黒くて固くて
暖かい
自由だ、自由
歩いてく
クルクルこねこ
ネコこねこ

クルクルこねこ
ネコこねこ
ポチポチひとりで歩いてく
そしたら道の向こうから
なんだか四角い物が来る
コチラを目掛けて
走って来るぞ
何だろ、何だ?
四角い何か
思わず避けて
柱の陰に周りこむ
何だろ、何だ
何が走る?
四角い何かは『ブオーン』って音で
周りを脅かして
脅かしながら
走ってった
何だろ、何だ?
気を付けよう
危ないヤツだな
気を付けろ
グウゥ
アレレレ?
お腹が鳴っている
お腹が減った
コロコロ食べたい
コロコロ喰うぞ
お家に戻ろう
戻ってコロコロ
戻って食べよう
コロコロ喰おう
アレレ?
お家はドコだ?
ドコにお家はあるのかな?
クルクルこねこ
ネコこねこ

クルクルこねこ
ネコこねこ
お家がわからん
ドコにある?
参った
迷った
ドコにある?
トポトポひとりで歩く
歩く
歩く
ひとりで歩く
角を曲がればお家があるかも
この角
曲がればコロコロ喰える
そしたら
オッサンに出くわした
いきなりオッサン
ビックリだ!
オッサン、マントをひるがえし
ノッサノッサと歩いて来るよ
ヤバいぞ
ヤバい
逃げ出そう
オッサンがいない方へと逃げ出した
そしたらさっきの四角い物が
ビューンとこちらにやって来る
猛スピードでやって来る
危ない!
ぶつかる!
もうダメだ
コワくてお眼々をギュッとつむる
身体がすくんで動けない
ぶつかる
ぶつかる
もうダメだ
クルクルこねこ
ネコこねこ

クルクルこねこ
ネコこねこ
アレレレ?
ヘンだな?
おかしいな?
やわらか布団に埋まってる
ホワホワ
やわらか布団に入ってる
ヘンだな
おかしい
四角い何かは消えちゃった
ドコだ?
ドコだ?
ここドコだ?
フシギだ
フシギ
ここドコだ?
上を向いたら
驚いた!
ヒゲ面オッサン
笑ってる
笑うオッサンの腕の中
ヤバいぞ
ヤバい
喰われちゃう
逃げなきゃダメだ
逃げないと
モガいてモガく
モガいて逃げよう
ダメだ
ダメだ
逃げれない
クルクルこねこ
ネコこねこ

クルクルこねこ
ネコこねこ
このまま煮られて
喰われちゃう
このまま焼かれて
喰われちゃう

ピンポーン

「このコはコチラのネコちゃんですか?」
あらあら大変
そうですよ
ウチのネコちゃん
そうですよ
「ソレは良かった
ドンピシャだ
お宅のネコちゃん
道に迷ってフニャフニャと
クルマに驚いて固まって
拾って良かった
ドンピシャだ」
あらあら、まあまあ
アリガトウ
たいへん感謝いたします
オッサン、奥さんに手渡した
奥さん
奥さんの腕の中
フニャー
良かった、良かった
「じゃ、またね」
オッサン
ドッカに消えてった
クルクルこねこ
ネコこねこ

クルクルこねこ
ネコこねこ
朝起きて
伸びをする
フニャンと鳴くと
奥さんが
あらあら大変
まあ大変
お皿にコロコロ
入れて出す
コロコロ美味い
美味しいよ
カリカリ食べる
よく食べる
いっぱい食べる
パクパク食べる
モグモグモグ
ゴクンっ

食べ終えて
部屋を横切り
お外を見に行く
庭先の
そのまた向こうの道を見る
オッサン来ないぞ
まだ来ない
お礼を言いたい
オッサンに
クルクルこねこ
ネコこねこ
クルクルこねこ
クルこねこ

クルクルこねこ

クルクルこねこ

  • 韻文詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-10-20

Copyrighted
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