名も知らない彼女たち
沖縄に行ってきました そんな話をひとつ
ただ、
ただ。
本当に一瞬のうち
私は言葉を失ってしまった。
16の私
数ヵ月後に17になる私
そんな私と
ひとつふたつしか変わらない
"ひめゆり"の女の子たち。
前から知っていた
教科書で、授業で。
だけどそれは
自分のための"知っている"、
受験のための"知っている"。
情けなかった。
恥ずかしかった。
悔しかった。
ごめんね
思わず呟いた。
"平和"を望むあの島の人々に
「平和って何ですか」
誰が聞けるのか。
"平和"って
今の あの島の人々の事だ。
島の外から人を迎え入れて
暖かくて きらきらしてて
笑顔にすることがすごく上手くて。
彼女たちは死んだ。
あんなに辛くて苦しい思いをしたのに
最後まで"幸せ"にありつける事は無かった。
誰よりも切実に"世界平和"を願っていたのに
"平和"を見届けた人はどれほどいたのだろうか。
あの島の夕日
いつ見ても
燃えるように赤い。
激しく燃えていた。
濃い紫色が
苦しい気持ちそのもののようで。
赤と紫と雲の白が混じった空は
見ていて
綺麗で
とても綺麗で
何処か寂しくて。
帰りのバスで 飛行機で 電車で
私は小さく手を合わせ
あの島の"幸せ"と"平和"を願う
大切な事に沢山気付かせてくれて
『にふぇーでーびる』
(ありがとう)
名も知らない彼女たち
またいつか。
だけど絶対。