Dendrite
あるぱちかぶとさんの詩が好きで、書きました。
あるぱちかぶとさんの曲を聴きながら読んでほしいです。
私は、人を好きになってしまいました。
今まで、見えないものばっかりに思いを馳せていたというのに。
今ではあの人のことばっかり。
私は、女の子、そう分類されるいきもの。
だけど困りました。
私には顔がありません。
あなたに顔向けできません。
重ねる唇もなければ見つめ合う瞳もない。
私はただただ、空っぽになります。
あの人のことを思い浮かべて、何にもできないぶきっちょな手で、手紙を書きます。
まるで口があるかのように、林檎の木になった真っ赤な林檎の味を、まるで瞳があるかのように夜空を駆けてく流星の煌めきを。
せつない胸を押し込めて、一心に手を動かすのです。
あら、そういえば胸もなかったわ。
だったらこの胸のときめきはどこから来るのでしょう。
はたまた、あなた、などという存在が何処にいるというのでしょう。
嗚呼、気が付いてしまいました。
私はまた、見えないものに思いを馳せていたのですね。
私は、それでも一心に、あなたという存在を探すのですね。
決して諦めてはいけないというのですね。
えぇ、全てわかりました。
私は、この世界から未来と希望と光を引いて残った物。
私はそう"残酷さ"。
生きてはいけない、死んではいけない。
全て、わかっているのですよ。
Dendrite
また、こういう形式の物も更新したいです。