解体屋
相変わらず病んだお話です、一応シリーズものの予定です
何の変哲も無い少し寂し気な町に、彼はいた
。
町を深く深く進んだ所にある昼でも暗い寂れた商店街。
その路地裏を更に進むと不自然に磨かれた真っ白な扉が見える。
その中で彼は仕事をしていた。
今時の若者にしては珍しい、黒髪で飾り気の無い小柄な青年。
その手には血塗れの鋸と歪に切り裂かれた鴉の死体が握られていた。
一般人が目にすれば騒ぎ立てるであろうその光景。
しかし青年にとっては日常茶飯事であるその光景。
不気味、奇妙、異常。
様々な言葉が思い浮かぶが青年から見ればその異常が当たり前なのであった。
何故ならそれが、彼の仕事だからだ。
解体屋
その名の通り、あらゆるものを解体する仕事だ。
解体するものが無機物であろうが動物であろうが解体しなければならないなら言われた通りに解体する。
それが解体屋。
彼、十川は、この無情な仕事を何の関心もなくこなしていた。
いつから始めただろうか
何でこんな仕事してるんだろうか
楽しいのだろうか
悲しいのだろうか
生きたいのだろうか
死にたいのだろうか
彼の中に芽生える疑問は全て解体屋には不要なもの。
芽生えた瞬間に、まるで足で踏みつけるかのように消し潰す。
それが解体屋であるための条件。
疑問何か感じる必要無い。
ただ言われた通りにバラしてバラしてバラしてバラしてバラして。
言われた通りに、仕事をすれば良い。
ギゴギゴと鋸を動かす。
ブチブチと不快な音が止めどなく流れている。
しかし彼は手を止めない。
ギゴギゴ、ギゴギゴ、ギゴギゴ、ギゴギゴ。
ビチャッと彼の頬に紅い血がついた。
それでも彼は手を止めない。
止める必要なんて、何処にも無い。
何故ならそれが彼の仕事なのだから。
解体屋
解体屋として生きていく彼がこれから様々な人に会う、それによって彼がどうなっていくのかを書いていこうと思っています
因みに何でカラス解体してるかというと、ただ生き物だってやっちゃうんですよというのをアピールしたかっただけです