Christmas is Kind

クリスマスって謎。ケーキ屋はこんでるし、皆浮かれて手を繋いでいる。おばさんの妬みにしか聞こえないだろうが、今日に関しては誰か同情してくれ。バイトのKFCはとにかくこんでるし、定時上がりなんてありえない。残業なんてくそくらえ。そんなことを考えながら朝の電車に乗った。ああ、雨だ。ざまーねーなリア充ども。非リアでクリぼっちな私には関係ないけど今日はイルミが綺麗には見えないぞおおお!!なんでだろう。目をつぶって考える。あ、洗濯物取り込んでない・・。あ、トイレの電気つけっぱなしだ。いつの間にか職場についた。KFCには予約の電話が殺到している。ああ、どうせ残業だ。「帰りたいな。」そんな言葉を裏腹に覚えた営業スマイルで乗り切った。ありえない言葉が耳に入った。「あ、今日山崎さん出勤じゃないですよ?」は・・・?私今日出勤じゃなかったっけ・・?「いいよ俺やるから帰って」「すいませんでした!」走って逃げた。
なんでだろう。ただただきれいでも何でもないイルミネーション。目が痛くなる多分イルミネーションのせいで視界がぼやけるだけで君のせいではないはずだろう。だけど目の前にはもう君はいない。君が出ていったのもこんな雨の日だったから、君が出ていったのはほんのすこし前のことだから。もう忘れなきゃいけないのに。テレビを付けて興味のないニュースをぼーと眺める。そうだ、何事もポジティブに!今年はショートケーキの配分で迷う必要もないしお金も半分で足りる。飾り付けも家の中でする必要がない。お金がかからないし早く帰らなきゃいけない理由もないから残業だってできるはずだった。でも。帰っても家からお帰りの声がしなかった。たった一言にこんなにすがってたことに初めて気付いた。君の荷物はもう何もない。見えるのはベット、TV、ソファー、机悲しいわけじゃない。ただただ寒いから君に会いたいだけなはずなんだ。反対の言葉ばっか並べてもいただきます。ていってあとごちそうさまという声は私だけ。背の高い君に電球を変えてもらうこともできない。けど君がいない理由は私のせいだから私の心穴を開けてるのは君じゃなくて巣を作ろうと頑張ってるモグラなんだ。そうだと信じてる。

Christmas is Kind

Christmas is Kind

あれ?Christmasには早かった。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-10-07

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