浅草二天門から見える空

桜木 武士

  1. 果物屋の母子
  2. 希望のおばはん
  3. 追越し車線で散った命
  4. ホンマにおもろいの?
  5. 厳しい叱責で自殺
  6. 二年という時間
  7. 孤独の中で
  8. 令和新撰組
  9. 即位礼正殿の儀

果物屋の母子

土曜日の朝。疲れてたのか、目が覚めたら10時。BGM代わりにテレビをつける。母ちゃんに会いたいという番組を何気なく見ていると、親元を離れて暮らす子どもと一緒に、番組スタッフが母親に会いに行くというもの。
突然、子どもが帰って来て、母ちゃんは涙涙。子どもももらい泣き。子どもはダンサーを目指す女の子。母ちゃんは親のあとを継いで毎日ひとりで頑張るこだわりの果物屋。
話のクライマックス。実は母ちゃんは、病を抱えていて、子宮に黒い影が。お医者さんが言うには、いつ倒れてもおかしくないよ と。
でも母ちゃんは、常連のお客さんのために毎日頑張ります。母子で涙涙。
俺も、もらい泣きしそうになって、ふと我にかえる。
さっき、果物の値段言うとったけど、めっちゃ高い。常連さんのインタビューで、この店で買うと、十中八九美味しい。ひとつかふたつは外れかい!その値段で。
ダンサー目指す微妙なルックスの娘さん。顔にテレビに出たいと書いてあるど!
24にもなって、母ちゃん休ませて手伝おうとは思わんの?
親バカ母ちゃん。娘には自分のやりたいことを、やってほしい。さっき、ばあちゃんが作った果物屋を守るんだ、常連さんに迷惑かけれないて。
あほくさ。もらい泣きしそうになった。情けない。
なにかがおかしい。

希望のおばはん

さあ、今日から第48回衆議院選挙。安倍総理大臣が国会の冒頭解散に打って出た。瞬間、俺も”よっしゃ、自民の圧勝や”と、この国を愛する国民のひとりとして素直に喜んだし安心もした。
ところが、小池都知事が新党を立ち上げ、寄合い所帯の民進党が、前原代表の情なき決断で分裂した。民進党は分裂するべきだったし、結果として良かったと思う。
問題は、選挙に勝つ為だけに希望の党に擦り寄った奴等だ。希望の党は、消費税の凍結を公約としてうたっている。今回、希望の党に移った民進党の奴等は民主党政権の時に、消費税の引き上げを決めた張本人達ではないか。原発ゼロも公約だが、福島の事故の時も民主党政権で菅 直人が総理大臣だった。政治家である以上、自身の政治理念をしっかり持ってなければならないし、簡単に曲げるべきものではない。
希望の党の小池党首にしても、都知事に専念するために都民ファーストの会の代表を降りたのではなかったか。現在も都知事の公務を、いくつもキャンセルしながら選挙の応援に走り回ってる有様だ。
加計、森友問題にしても、安倍総理大臣が言うように、国会での質疑を見れば問題はない事が明らかだ。俺でも理解出来るのだから、誰でも解る筈である。
都の職員に対してのアンケートで、知事の評価がある。石原慎太郎78点、舛添要一62点、小池百合子46点。職員は行政のプロである。その評価がこれだ。
マスコミはこの様な、自民党が有利になる様な事は一切言わない。俺の様な話をしようものなら、”きゃ〜!あの人右よ〜!”の嵐だ。
どうか、まともな有権者であります様、立派な国民であります様、この国にないのは希望だと、ヌケヌケとぬかしやがった希望のおばはんが、これ以上木に登らない様に祈ります。
本気で、何かがおかしい。

追越し車線で散った命

今日は、朝から大阪に向かっている。5時半に起きてシャワーを浴びて、テレビの電源を入れる。どの局も似たり寄ったりのワイドショー。東名高速道路で起こった半年前の死亡事故のニュース。
今年6月、東名高速道路で、追い越し車線に止まった車にトラックなどが追突し、夫婦2人が死亡するなどした事故で、警察は、夫婦の車の前に停車して進路をふさいだとして、運転手の男を逮捕した。
追い越し車線に止まっていたワゴン車には大型トラックなどが追突し、2人が死亡、娘2人が軽傷を負った。
というものだが、目の前で両親が死ぬ所を見た幼い子供達には、一体どれ程の傷が心に残るのだろう。俺自身、他人の心配をする余裕など無いのだが、子供達の事を思うと、他人であっても心が痛む。
しかし、冷静になってよく考えてみると、道交法的に過失運転致死傷とするには、少し無理がある様な気がしてならない。
接触した訳でもなく、飲酒や麻薬をしていた訳でもない。道交法で責められるべきは、追突したトラック運転手なのは、運転をする者ならわかると思う。高速道路であれ、一般道路であれ、何があっても止まれる状態でなければならないのだから。
明らかに、前方不注意であり、オーバースピードである事は間違いない。
逮捕された男は、被害に遭われた男性から、注意されてカッとしたと言っている。その後、後ろから煽られたとも。どう考えても、車の中から注意すると言うのは、怒鳴ってるとしか思えない。
”どこに、止めとんじゃ、われ!”俺なら、こんな感じで怒鳴ってると思うし、逆であれば逮捕された男同様、喧嘩売られたと受け取り、追いかけたと思う。止まった場所が左側であれば、よく見かける光景ではなかろうか。
左側に寄って止まれと、ハザードで合図しても、全く止まる気配がなかったので、仕方なくという気がしてならない。追越し車線で止まるのは、誰でも危ない事はわかる。それでも止まったのは、かなり見通しのよい直線部分だったからと思う。
車を運転していて、喧嘩を売ってくるヘタレは結構多い。追いかけると逃げる奴。
俺も数え切れない程、こういう事はあった。決まって卑怯な奴が多い。
まぁ、俺の想像やけど。

ホンマにおもろいの?

今日、大阪から東京に戻って来た。今回の大阪行きで風邪をひいてしまい、咳、痰、鼻水、喉の痛みと風邪の症状が全て出ている。おまけに熱っぽく、寒気までして来た。
明日も朝が早いので、早目に部屋に帰って布団に潜り込んだ。しかし、まだ時間も早く眠れないので、テレビをつけた。チャップリンというお笑いの番組を見ることにした。スタジオに観客も居て、よくテレビに出ているお笑いの連中も、雛壇を埋めている。番組を持てる程でもない、中途半端な連中である。
1組目から観客と雛壇の連中は大爆笑だ。笑いのつぼは人によって違うことは理解しているつもりだ。はっきり言って、何にもおもろない、本気で、な、ん、に、も、おもろない!
風邪をひいてることもあって、笑えないのかとか、色々と考えた。何組目かにノンスタイルが出て来た。笑えた。やっぱりおもろい奴はおもろい。理屈ではない。
お手手繋いで、芸能界を渡ってるんやろなぁ。ライバルや後輩達が、おもろないから、安心して笑えるんやろか。
芸人と呼べる人は、このまま絶滅するんやろか。美輪明宏が、以前テレビで言っていた。仕事で地方に行ったりすると、必ず一人で喫茶店などに入り、若い子も含めて、ファン達とコーヒーを飲みながら話をするらしい。制作側のスタッフ等の感性は信用出来ないとの理由からだった。
本当の声に気付かないと、芸能界で生き残れないとも言っていた。
美輪明宏さんの様な大御所も、常に感性を磨き、努力を惜しまない。だから、大御所だし、一線で活躍し続けられるのだろう。
何かがおかしい。

厳しい叱責で自殺

一昨日から39.6度も熱が出てかなりしんどい。俺はあかんたれやから、情けない事に病気に弱い。熱っぽいなと思って、測ってみて倒れそうになった。
昨日は一日中寝ていたので、熱があろうがなかろうが今日は朝から動かなくてはならない。病は気から。根性で治したるわ!気合いを入れて、朝から仕事のアポを取ったりして動いている。そうそう、朝の7時からメールを送ったら、返信をしてくる社長も大した奴だと思う。不動産会社の社長だが、37歳とまだ若く、頭も切れるし、腰も低い。バイタリティも中々のものだ。N君、これからも決してその姿勢を忘れず、頑張って下さい。
本題に入ろう。朝のワイドショー(古いか。今なら情報番組と言うのか)をBGM代わりに見ていると、本編見出しの通りの事件をやっていた。中2の男子生徒が、担任の先生から幾度となく、イジメとも取られかねない様な叱責を受けて、飛び降りたというものだった。
宿題を忘れて来たので、担任が「辞めてもいいよ」すると、女性の副担任が「宿題が出来ないならやらなくていい!」と怒ったらしい。しかし、宿題を忘れたのは一回ではないらしく、叱責を受けても仕方ないとも思う。母親が言うには、お手伝いをしてくれたりして良い子だったとの事だ。お手伝いも当然だが、子供の仕事は勉強である。学校の先生が云々と言う前に、何故、親に相談出来なかったのかを考えるべきと思う。家庭は集団生活する中での最小単位である。集団生活に中々馴染めない子供は、いつの時代にも確かにいる。
だからまず、家庭ではどうであったかを考えるのが先決である。天気が良くない事や、熱がある事も手伝って何かしら悲しい気持ちになった。

二年という時間

二年振りに浅草に戻ってきた。わずか二年されど二年。親しかった方が亡くなっていたり、親友が事件を起こして逮捕されていたり、事業の失敗で連絡が取れなくなっていたり、金銭面で苦労をしていたり。
もう二度と会えないかも知れない淋しさは、言葉にはできない。亡くなった方には確実に会えない。
その方は、俺が二年前に浅草を出る時、満面の笑みで言った。
「余命一年と言われてるから二年後会えるかな」
俺も笑顔で言った。
「大丈夫。必ず会える」
結果、会えなかったのだが、知人の話では俺が浅草に戻ってくる一ヶ月前に亡くなったらしい。
ある日、夜が明けると同時に目が覚めた俺は浅草の空に手を合わせた。
「ナポちゃん、お疲れさん。いつかそっちで一緒に呑もうな」

孤独の中で

いつから孤独に強くなったのだろう。いや、強くなったのではない。孤独に慣れたのだ。
言うまでもない事だが、ひとりでいる事と孤独は違う。
ひとりでいる事は、自分からそうする場合もあるし、させられる時もある。子供の頃から皆が経験のある事だと思う。
「勉強しなさい」「留守番してて」等など。
孤独はたくさんの親族や友人と一緒にいても、感じるものである。
楽しく話していても、酔っ払っていても。
大都会東京の夜景を見ると無性に孤独を感じる。
まるでひと気や生気の感じない工場夜景のように。
思えば幼い頃から常に孤独だった。家族もいたし、兄弟もいた。友達もいたし、取り巻きも大勢いた。結婚もしたし、子供も出来た。
でも孤独だった。
これから先はどうだろう。
どっちでもいいのだ。孤独の中でしか見えない世界があるのだから。人に優しくなれるのだから。強い男になれるのだから。美しいものに敏感になれるのだから。先人たちを尊敬できるのだから。親孝行したくなるのだから。

令和新撰組

山本太郎令和新撰組。参議院選挙で落選。しかし、特定枠で二人を当選させた。政策は別として、大したものだと思う。選挙は戦だから、勝つということは立派だし、有権者に熱い思いが伝わった結果であることは間違いがない。
しかし、はっきり言わせてもらう。山本太郎令和新撰組に投票した有権者の99.9999パーセントが、当選した二人を選んだ訳ではない。
一体何が出来るの?あの二人は何がしたいの?介助も何もかも税金という事をわかってるのだろうか?
プロ野球選手に障害者がなれないように、ラグビーに出れないように、九谷焼が焼けないように、寿司が握れないように、イルカの調教師になれないように、運転手になれないように。健常者であれ、障害者であれ、平等であるならその能力がないなら、努力が足りないならなれないだろう。
政治家も同じである。選挙制度の問題はあるが、はっきり言わせてもらいます。
あなた達の名前を書いた有権者は、ほとんどいないと。
誰も言えないから俺が言うときます。

即位礼正殿の儀

昨日は、天皇陛下の即位の礼だった。東京に居てテレビの中継を見ていた。約190ヶ国の来賓が招待されて参席されていた。国内の法解釈はどうであれ、誰が見ても明らかに神事である事は間違いないと思う。
この国は誰がどう見ても、天皇陛下を中心にまわる神々の国、日本なのだ。世界中の国々の殆どが異論を唱える事はないだろう。
予報でも、一日中雨の予想だった。ところがいざ始まると、今までの雨が嘘の様に晴れて、東京の空に美しい虹がかかった。まるで天照大神が天から祝福されている様だった。世界中が驚いていた。
テレビで、天皇皇后両陛下の凛とした神々しいお姿を見て、熱いものがこみ上げて来た。目が潤んだ。理由は自分でもわからない。
ただ日本人の血がそうさせたのだろうと思う。
日本は宗教に対して寛大で大らかな国である。だから、皆それぞれに違う神を敬っている。そこに異論はないし、それでいいと思う。天皇陛下がおられるからといって、この国が平和であるとは限らない。ただ、一心にこの国と国民の幸せを願い祈られていることに感謝したいし、忘れてはならない。
天皇陛下万歳!

浅草二天門から見える空

浅草二天門から見える空

  • 随筆・エッセイ
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2017-10-07

CC BY-ND
原著作者の表示・改変禁止の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-ND