朝焼け
植木鉢から伸びてきた
蔓の先にあるセンシティブ
頼りなく浮かぶ
ブルーベリーの幽霊
至極くだらないと思いながら
私は胸の痛みに朝露を与える
しみていく
朝焼けは街を燃やし尽くした
私のいくべき場所も燃やし尽くした
誰もが自分を特別だと思うから
朝焼けが平等に燃やしていく
正しいばかりの人たちに
吐き気を覚える落伍者は、私。
焦土と化した街を歩いていた
天上に行けない私は
この世に悪人などいないと悟る
みんながみんなつるりとしていた
いくべき場所を失って安堵する私を
一番星が糾弾する
不平不満を呟く私を
世界中が糾弾する
理解者を名乗る人たちが
私を糾弾する
糾弾された私に歩ける道などなかった
朝焼け