朝の詩
朝は私を白くする
私は驚き目を覚ます
慌てて夜の尻尾を掴む
夜は嫌がって逃げ出す
昨日寄り添ってくれたのが
嘘だったみたいに逃げ出す
私は布団に足を取られながら
夜を追いかける
背中が朝日で暴かれる
夜は押入れの中に逃げてしまい
私はもう追いかけることが出来なかった
私は朝日が乱暴に私を白くするから
たまらなくなって、泣き出した
声をあげて泣き出した
大人なのに朝から泣き出す私を
世界中が朝日みたいな白い目で見つめている
私はバスタブに逃げ込んだ
そこでずっと泣いていた
世界中の白い目から逃げるため
白いシャツに手を通す
服の中に弱い私の肌を隠す
私の肉の中に弱い私の精神を隠す
全てを覆い隠した後に
さんざめく日差しの中に体を投げ出す
泣かないふりをして
逃げないふりをして
太陽に焦がされるためだけに
私は玄関から体を投げ出した
朝の詩