朝の詩


朝は私を白くする
私は驚き目を覚ます

慌てて夜の尻尾を掴む
夜は嫌がって逃げ出す

昨日寄り添ってくれたのが
嘘だったみたいに逃げ出す

私は布団に足を取られながら
夜を追いかける

背中が朝日で暴かれる
夜は押入れの中に逃げてしまい
私はもう追いかけることが出来なかった

私は朝日が乱暴に私を白くするから
たまらなくなって、泣き出した

声をあげて泣き出した

大人なのに朝から泣き出す私を
世界中が朝日みたいな白い目で見つめている

私はバスタブに逃げ込んだ
そこでずっと泣いていた

世界中の白い目から逃げるため
白いシャツに手を通す

服の中に弱い私の肌を隠す
私の肉の中に弱い私の精神を隠す

全てを覆い隠した後に
さんざめく日差しの中に体を投げ出す

泣かないふりをして
逃げないふりをして

太陽に焦がされるためだけに
私は玄関から体を投げ出した

朝の詩

朝の詩

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-10-02

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