すっかり 折れた

すっかり 折れた

   



   



   



   



   



   

は 、










死なねえよ、

死ぬもんか、

死ぬなんていう、

死んだ言葉すらない、

死ぬとかって退場は、

死すら殺してる、

死に近く、

死んだように、

死の詩を書く、

死に化粧で、

死なき生の朝が来る、

死をあつらった脆弱、

死ではない顔を、

死の目の前で生きてきた俺、

死を蹴っ飛ばす、








死が、  

形容では、 

なくなった








眠剤だけは 確かだ まもなく意識を失うだろう すっかり折れた 心の 瀕死は いつだって 目前で なにも いつも 変わらない 疲れたねって あっけなく 終わるってことが いまも そこにある 眠らせてくれるだろう 数種類の劇薬 何年も失った



そして、

          いま








失ってきたもの、

失ったあのとき、

失って いるここ、

失い続け、

失うのは、

失うを失わないという規約、

失うという前提は、

失うを日常化する、

失う、 あまりにも、

失うことに鈍化する、

失うことへの憤慨を失う、

失ってなにか見えなくなる、

失われていくいま、 こんな今朝、








いま、

ほころびながら、

本当に失い始めた










        ま

          え 
                、

   



   



   



   



   



   

すっかり 折れた

死という言葉がとても疎ましくなった。

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すっかり 折れた

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-10-01

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